Falluja, April 2004 - the book
現代企画室刊『ファルージャ 2004年4月』を引き継ぐ形で、
同書共訳者2名がファルージャおよびイラクについてのニュースなどを
英語から日本語にして紹介しています。
本文中の翻訳部分の語句は、原文に即するようにしています。
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Falluja, April 2004 - the book

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white phosphorus bombs――白燐弾 (「弾」は「爆発物」の意味である可能性)
この記事はコメント欄も全部お読みください。※太字は25日追記。


「白燐弾」という爆弾のことは、私はまさに1年前、2004年11月10日のRaed blogで知りました。

▼以下、元は英文です。そしてこの日本語は私の責任による誤訳があることと、元の投稿者の錯誤があることにより、正しい情報とはいえません。このことをお詫び申し上げます。詳細は、当面はコメント欄をご覧ください。後日、もうちょっと整理してここに書き加えます。


爆撃された病院,白燐榴弾,そしてファルージャ(←原文へのリンクはここをクリック)

今日はひどい頭痛がしていますが,いくつか興味深いニュースがあったので。ファルージャにおける米軍の解放の軍事行動(efforts)について,ネットならどこでも読めるというわけではない記事です。

米軍が白燐榴弾を使っているとの報道
ワシントン・ポストの報道によると,米軍は白燐榴弾を使い始めている。白燐榴弾は着火すると水で消火することができない。イラク人医師たちは,病院に運び込まれている死体の皮膚が溶けていると報告している――白燐榴弾の火傷と一致する反応である。


そして、Raed blogのこの記事のコメント欄に、読者からこんな情報が書き込まれていました。


白燐榴弾を人のいるところに投げているとは常軌を逸している。火器というよりは化学兵器になってしまう。米軍が使っているであろうM-15白燐榴弾は,爆発半径は17メートルあって,燃焼温度は5000度だ。身体に付着した破片を取り去ると,空気に触れて自然発火する。だから取り去る前に怪我をした箇所を水につけなければならない。破片はすぐに水にひたさなければならない。白燐(黄燐)は酸素の少ない水に触れるとホスフィンを出すが,これがおそろしいガスだ。煙を吸入すれば,「phossy jaw」と呼ばれる症状が起きる。口に傷ができるがそれは治ることなく,顎の骨自体が砕けてしまうこともある。白燐(黄燐)は少量(小匙1杯未満)摂るだけで,吐き気,嘔吐,肝臓障害,心臓障害,腎臓障害,ひどい眠気をもよおすし,時には死に至ることもある。

かつては花火にごく少量入っていたけれど,あまりに多くの人がそれで怪我をしたり病気になったりしたので,花火への使用はやめなければならなかった。

M-15白燐榴弾は,こんな物質が15オンス(約425グラム)入っている。

どうかしてるよ・・・
# posted by Rei : 11:30 PM


▲ここまで、元は英文の箇所。

米軍がこの兵器を使っているという記事は、同日付のthe International Herald Tribuneにもありました。写真ジャーナルです。
http://www.iht.com/slideshows/2004/11/10/africa/falluja.php

U.S. marines scurried for cover Tuesday, Nov. 9, to avoid being burned by "white phosphorus," which was fired as a smoke screen for U.S. tanks but landed on their own positions.

11月9日撮影、「白燐」で焼かれるのを避ける米海兵隊員。この白燐弾は米軍の戦車の煙幕として発射されたが、自陣に着弾してしまった。


「煙幕」? そのためにそんな危険なものを? ありえねぇ。

それから約1年になろうという2005年11月8日、私はBBCで次のような記事を見ました。

US 'uses incendiary arms' in Iraq
Last Updated: Tuesday, 8 November 2005, 11:13 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4417024.stm

Italian state TV, Rai, has broadcast a documentary accusing the US military of using of phosphorus bombs against civilians in the Iraqi city of Falluja.

In the film, eyewitnesses and ex-US soldiers who served in Iraq said white phosphorus bombs were used in built-up areas in the insurgent-held city.

Rai says this amounts to the illegal use of chemical arms, though such bombs are considered incendiary devices.

The US military admits using the weapon in Iraq to illuminate battlefields.

イタリア国営テレビRAIが、ファルージャで米軍が一般市民に対して白燐弾を使ったと告発する内容のドキュメンタリーを放送した。

このドキュメンタリーでは、目撃者やイラクで任務についた元米兵らが、ファルージャの市街地で白燐弾が使用されたことを述べている。

このような爆弾は焼夷性(incendiary devices)とされているが、RAIはこれは化学兵器の不法な使用に相当すると述べている。

米軍はこの兵器をイラクにおいて、戦場を照らすために用いたことを認めている。


1年前は「煙幕」だったのが、今度は「照明」と説明。。。いや、「煙幕兼照明」ってこともあるのかもしれないですが、いずれにせよ、そのためにこんな危険なものを? ありえねぇ。

何のためと説明するのであれ、米軍はこれをファルージャで使っていたことを、認めました。

投稿者:いけだ ▼コメント欄も読んで下さい。(コメントをお寄せくださっている方に感謝します。)▼

追記(25日):
RAIニュースでドキュメンタリーが流れた日以後、英国のニュースでは、WPのことはかなり大きく取り上げられていました。これらについてはカテゴリ「WPの使用」一覧をご参照ください。

コメント(31)| Track back(0) | 2005-11-09 12:28:47 | 白燐(WP)の使用
■ # posted by Rei : 11:30 PMへの疑問
M15 White Phosphorus Grenade は古く、後継のM34に切り替わっている。また、5000度というのは白燐の燃焼温度としては高過ぎる。恐らく華氏5000度の事だろう。これは摂氏2760度に相当する。(アメリカでは気温の単位に摂氏ではなく華氏、ファーレンハイトを用いる)

 そして、「酸素の少ない水に触れるとホスフィン(PH3 燐化水素)を出す」とのことだが、白燐(P4)の一般的な保存方法は水中に漬ける事であり、水に触れても問題は無い。(問題があったら化学室の薬品棚は大騒ぎだ)白燐が燃焼して出来る煙は十酸化四燐であり、固体では乾燥剤として用いられる物質である。・・・ところで「酸素の少ない水」とは一体何を指すのだろうか。溶存酸素量の少ない水?しかしそんな事は化学反応に影響は無い。

 それともまさか、酸素の少ない水→酸素原子のない水=水素という意味なのだろうか。確かに燐と水素を直接反応させればホスフィンは発生するが、白燐弾から発生させるには難しそうだ。
Unknown (2005-11-19 13:23:12)

■ ↑のコメントの方へ:詳しいお話をありがとうございます
お名前が書き込まれていないので呼びかけができないのですが、上の投稿をくださった方に御礼申し上げます。

「# posted by Rei : 11:30 PM」は、昨年11月に出たワシントン・ポストの報道(ファルージャでWPが使用されているという内容)を紹介しているRaed Jarrarさんのウェブログの記事(昨年11月)のコメント欄に寄せられたもので、元が英文です。それを私がとにかく機械的に日本語にしたので、私の知識不足や、時間を惜しんだことが原因で、わけのわからない日本語になっていると思います。

温度が「華氏」ではないかというのは私も思ったのですが、このコメントをしたReiさんという方のほかのコメントにも特に決め手がなかったので、何もつけていませんでした。(Reiさんが米国人なのかどうかも不明で、また、「華氏」で考えているのか「摂氏」で考えているのかもわかりませんでした。)

「酸素の少ない水」は私も日本語にして「?」と思ったのですが、昨年11月の時点で確認をすることができませんでした(怠っていました)。誤訳している可能性が非常に高いです。

原文を確認することができればよいのですが、ウェブでは閲覧ができなくなっているため(Raedのウェブログは現在コメント欄は閲覧できなくなっています)、原文の確認も難しい状況です。(バックアップのファイルを探してはみます。)

なお、M-15についてですが、昨年の時点で米軍が使っている砲弾の種類として「M-15がメインである」というようなことが、エンベッド記者が書いている記事によく出てきていたと記憶しています。そういった事情で、元の文章を書かれたReiさんが、「WPもおそらくM-15であろう」と推測されているのではないかと思います。

差し支えなければ上記のコメントの内容を本文に転記させていただきたいのですが、「それは困る」ということがあればご一報ください。

この記事に関しては、コメントと本文が同じページにありますので、これから転記をさせていただきますが、ほかのサイト(Raed blogの日本語のサイトと、このウェブログのミラー)への転記は、お返事いただけるまで待ちます。(1週間以内にお返事がなければ、勝手ながらご承諾いただけたものと考え、転記させていただきたくよろしくお願い申し上げます。)
いけだ (2005-11-20 01:10:23)

■ ホスフィンの間違いはかなりマズイです
Unkownさんの書き込みは(http://obiekt.seesaa.net/article/9465205.html)からのコピペですから、許可を取るならそちらのほうにすべきかと。

ファーレンハイト(華氏)5000度の件はよくある翻訳ミスですからあまり目くじらを立てるほどの事ではないのですが、(でもここに来る人は映画「華氏911」を見ている人が多いのですから誰か気付いても良さそうなものですが・・・)ホスフィンの件はあまりにも酷い間違いです。白燐からホスフィンを発生させるには水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液といった強烈なアルカリ性水溶液が必要です。自然下には普通存在しませんので、白燐弾からホスフィンが発生する可能性は殆ど在りません。白燐と水素を直接反応させてもホスフィンは発生しますが、こちらも実験室レベルでないと反応させるのは無理でしょう。

なおM15手榴弾についてですが、最近の報道だと誰もM15と言ってなくてM110などの砲弾だということになっています。・・・どっちなんでしょう。昨年は手榴弾(grenade)しか使ってなくて、最近は砲弾(shell)しか使ってないということなんでしょうか。どうも報道に偏りがあるような気がします。あと爆弾(bomb)は誤訳だと思います。爆弾型のWP弾は存在しません。それと砲弾ですが、これは榴弾とも呼ばれることがあります。訳す時は注意が必要です。
名無しWP弾 (2005-11-23 16:38:24)

■ 白燐から生じる煙ですが、殺傷力は低いようです
白燐が燃焼すると五酸化リンが生じます。このガスは刺激性がありけして無害ではありませんが、殺傷能力はそれほど高くはありません。


http://www.globalsecurity.org/military/systems/munitions/wp.htm
>Casualties from WP smoke have not occurred in combat operations.
「WP(白燐)煙からの死傷者は戦闘で生じていません」

>There are no reported deaths resulting from exposure to phosphorus smokes.
「白燐煙に晒された状態が原因だと報告された死亡例はありません」

>Generally, treatment of WP smoke irritation is unnecessary. Spontaneous recovery is rapid.
「一般に、WP(白燐)煙焦燥の治療は不必要です。自発的回復は迅速です」


つまり白リン兵器の被害は燃える白リンの直撃によって引き起こされるものであり、煙はあまり関係が無い。
名無しWP弾 (2005-11-24 02:41:20)

■ ありがとうございます(名無しWP弾さんへ)
>名無しWP弾さん

コメント2件、同じ方でしょうか。。。違ってたら申し訳ないのですが、まとめてお礼します。

お時間を割いてご親切に解説いただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。私の情報処理能力の問題から作業のスピードが追いつかないのですが、先日来、修正と加筆の作業を進めています。

自分でもglobalsecurity.orgなどいくつかの情報源を参照したところ、「白燐」について上記の元となった情報(英文)は、投稿者であるReiさんの勘違いに基づいているのではないかと判断しました。

Raed blogのコメント欄が閲覧できないので記憶に頼るしかないのですが、Reiさんはわりと頻繁にRaed blogにコメントを投稿していた方で、“強烈な主義主張の持ち主で意図的に話をゆがめて伝えるような人である”という印象はありませんでした。

当該のコメントが投稿されたとき、しばらく経ってもほかの人からの異論はなく――といってもコメント欄がいわゆる「荒らし」と無根拠な誹謗と中傷ですぐにあふれかえるような状態でしたから、Reiさんのコメントが流れてしまって、誰も特に注意を払っていなかったのかもしれませんが――、また、ほかの誰からもWP(2004年11月のワシントン・ポストの記事が、white phosphorous roundsがファルージャで使用されたことを伝えていた、というのが本記事の内容の一部でした)についてのコメントがなく、Reiさんのそのコメント自体に問題があるとは考えませんでした。情報の見方が甘かったです。

また、「M15手榴弾」についても詳しくありがとうございました。

> 最近の報道だと誰もM15と言ってなくてM110などの砲弾だということになっています。・・・どっちなんでしょう。昨年は手榴弾(grenade)しか使ってなくて、最近は砲弾(shell)しか使ってないということなんでしょうか。

そこまで詳しくは見ることができていないのですが、英文の報道記事では、WPについてbombという語が用いられていることに気づいたのは最近です。(一例として、上記の本文部分のBBC記事。)確か昨年はround(榴弾)やshell(砲弾)だったような気がします。grenadeは昨年の記事にあったかどうか……あいまいなので、確認してみます。

参照しているのがBBCですので、ひょっとしたら英語と米語の違いの影響もあるのかもしれないですが(考えにくいのですが)、BBCがIn the film, eyewitnesses and ex-US soldiers who served in Iraq said white phosphorus bombs(←無冠詞で複数形)were used ... と書いているということは、単純に英文として検討してみた場合、
1)white phosphorus bombs(爆弾型のWP弾)が存在する
2)bombは英語(UK用法)であり、実はshellである
3)フィルムの中で、元米兵(ジェフさん)が、white phosphorus bombsという言い方をしている(が、それは正式な用語ではない)
4)ディレクター(イタリアの人で、英語も使える人です)がbombという用語を使っている
といった可能性があると思います。(可能性は上記4つだけではないかもしれませんが。)

ところで、同じ英国のメディアでも、デイリー・テレグラフは
Chemical grenade used on rebels, says Pentagon
By Thomas Harding, Defence Correspondent
(Filed: 16/11/2005)
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2005/11/16/wirq116.xml
の見出しと記事において、grenadeという語を使っています。(テレグラフがchemicalと書いていることも疑問なのですが。。。)

そしてこの記事には

The grenade burns into exposed skin and can be combined with conventional grenades to create a weapon nicknamed a "dolly mixture".
(そのgrenadeは露出している肌に燃えて入りこむもので、通常のgrenadeと組み合わせて"dolly mixture"とニックネームで呼ばれる兵器になりうる)
# 文脈より、主語のThe grenade = white phosphorus grenadeです。

という一節があり、最後の"dolly mixture"については記事内では説明がなく、ネットで何とか見つかった「軍隊スラング集」に

Dolly Mixture
Alternate rounds of high explosive and white phosphorous, usually from 81mm mortars but can be delivered by artillery.
(交互になったHEとWPのround。通常81ミリ迫撃砲から発射されるが、大砲から発射されることもできる)
http://lists.dumpshock.com/pipermail/shadowrn/Week-of-Mon-20010917/049395.html

という説明があります。

ここで、すっごい基本的な疑問ですが、
・テレグラフはgrenadeについて「"dolly mixture"というweaponができる」と書いている
・スラング集では「"dolly mixture"はroundsによってできるもの」と書いている
と、一貫していなくて、はまっています。(grenadeとroundとでは、攻撃する側のいる位置の距離が違うだろうから、気になるのです。)

名無しWPさん、もしまだここをご覧になっていて、上記の点についてご存知のことがあれば、投稿していただけますと幸甚です。(図々しくすみません!)

また、さらに重ねてお願いしますと、「名無し〜」さんはこのコメント欄を読んでいる方にも、また私にも区別がつきづらいので、「名無し〜」以外のお名前を書き込んでいただけるとありがたいのですが。。。よろしくお願いします。m(_ _)m
いけだ (2005-11-24 11:17:41)

■ 補足(phossy jawについて)
> 自分でもglobalsecurity.orgなどいくつかの情報源を参照したところ、

について補足します。

参照したのは、
http://www.globalsecurity.org/military/systems/munitions/wp.htm

このページの最後のところなのですが、
White Phosphorus (WP) - Other Health Effects
ここでphossy jawについて解説されています。

... Prolonged absorption of phosphorus causes necrosis of bones. It is a hepatotoxin.

... *snip* ...In a series of 10 cases, the shortest period of exposure to phosphorus fume (concentrations not measured) that led to bone necrosis was 10 months (two cases), and the longest period of exposure was 18 years.

... *snip* ... With phossy jaw, a sequestrum forms in the bone and is released from weeks to months later, ...

というわけで、骨の壊死につながるにはかなりの期間が必要であると判断されます。phossy jawになるためには、恒常的に白燐にさらされている期間が長く必要であるということは、wikipediaでも確認しました。(もう少し調べてはみます。)

つまり、仮に今日白燐を吸い込んでも、明日phossy jawになる、というわけではない、ということだと思います。私が思うに、Reiさんの記述の錯誤はその点にあります。(私の責任の範囲である変な訳のことは、これとは別の話としてください。)

言い換えれば、Reiさんの記述の核は「白燐はphossy jawを引き起こすような化学物質だ」という点であり、これはこの文脈においては、少なくともmisleadingであると、私は判断しました。

# phossy jawについては本文に付け加えます。後ほど。

なお、globalsecurity.orgでは、上に引用したように、exposure to phosphorus fumeがphossy jawにつながる、と説明しています。

このfumeという語がなかなか厄介なのですが(「蒸気、湯気」を指すこともあり「煙」を指すこともあり・・・)、phossy jaw(白燐による健康被害)が問題となっていたのは19世紀から20世紀初頭のマッチ工場です(マッチの頭に白燐をつける作業をしていた人たちが発病している)。そして、少なくともマッチ工場では、工場で白燐を発火させていたわけではない。よって、このfumeは「しぶき」とか「飛沫」といったものの結果として「微粒子を含んだ気体」ではあっても、「煙」であるとは言えないと判断しています。(つまり、酸化する前の白燐そのものが、phossy jawを引き起こした、ということ。)ただ、マッチ工場では液化した白燐にマッチ棒をつけてマッチを製造していたのでしょうから、その燐は液化はしていた。燐の融点は44.2度(摂氏)、沸点は277度(摂氏)と、融点と沸点の間にかなりの開きがあることから、当時のマッチ工場の人たちがphossy jawになっていたとして、「蒸気(気化したもの)」を常時吸い込んでいたわけではないと思うのですが、そこまではまだ調べられていません。

・・・何か間違っているところがあれば、どうかご指摘ください。お願いいたします。
いけだ (2005-11-24 13:08:06)

■ 榴弾について
>Dolly Mixture

恐らく以前に 「Mix Fruits Pudding」と呼ばれていた迫撃砲特有の射撃パターンです。イラクでは「Shake and Bake」とも呼ばれているようです。

これは通常榴弾とWP弾を一発毎に交互に射撃していくパターンで、迫撃砲は榴弾砲に比べ命中率が悪い為に、WP弾を混ぜて煙による視覚的心理的効果を狙った射撃パターンです。味方歩兵の突撃直前に行います。榴弾砲ではあまりやらないパターンですが迫撃砲では定番です。

さて問題なのは明らかに迫撃砲なのにgrenadeと読んでいる点です。迫撃砲(Mortar)の砲弾はgrenadeではなくshellですし・・・手榴弾以外でも擲弾筒ならば弾種はgrenadeです、しかし81mm Mortarは明確に迫撃砲です。

>round(榴弾)

その翻訳は不適当です。roundは「砲撃」と訳すべきです。

榴弾は英語(軍事専門用語ですが)で「High Explosive」と呼ばれます。略称でHE。HE弾。

>bombは英語(UK用法)であり、実はshellである

それは有り得ません。恐らく・・・このbombという表現は「航空機から投下される爆弾」の意味ではなく、時限爆弾や自動車爆弾のような意味で使われる広い意味での「爆発物」を指しているのでしょう。

どうも、結局のところマスコミは弾の種類の区別が全くついておらず、各自勝手な呼び方をしている為に何を指しているのか混乱しているのだと思います。

Mk.77をWP Bombだと報じるような大誤報はその辺りの認識不足にあるのでしょう。
名無しWP弾 (2005-11-24 18:12:17)

■ 少し確認を
>それを私がとにかく機械的に日本語にしたので

これはRei氏の書き込みを翻訳して紹介したのがいけださんと言うことなのでしょうか。

http://teanotwar.blogtribe.org/entry-3429926f91702ca2ab3ba4ece6c9503f.html

これが初出なのでしょうか。2004-11-14とあります。


http://reishiva.exblog.jp/958361

ですが同じ内容のものがこちらでは11/12となっています。
名無しWP弾 (2005-11-24 18:18:37)

■ 初出は11月11日です(Re: 少し確認を)
>名無しWP弾さん
たびたびありがとうございます! 本当に感謝しています。

榴弾についてのお返事は後ほどということで、取り急ぎ18:18:37のコメントにレスします。

> これが初出なのでしょうか。2004-11-14とあります。

いいえ、そうではありません。初出からの転記が11月14日、ということで、初出は

http://teanotwar.blogtribe.org/entry-3429926f91702ca2ab3ba4ece6c9503f.html
の文中に:
  
  11月10日のRaedのウェブログ(日本語)には,「白燐榴弾使用との報道がある」ことが書かれている……

とある記述の「(日本語)」の文字列に貼ってあるリンクでご確認いただけるURLにあります。具体的には、初出の日付は11月11日、時刻は不明(詳細は後述)です。

ここまでで説明は終了かもしれませんが、整理のためにも、経緯をなるべく詳しく書いておきます。ちょっと長くなりますが、よろしくお付き合いください。m(_ _)m (不要なら飛ばしていただいてかまいません。)

上記の“「(日本語)」の文字列に貼ってあるリンク”とは、
http://raedinthemiddle.blogspot.com/
という、Raedさんという方のウェブログ(ここでは最近「Raed blog」と表記しています。この記事の本文でもそうしています)の2004年11月10日記事の日本語訳です。Raedさんはイラクの人で男性です。ウェブログは英語で書いています。

彼がウェブログを始めたのは2003年12月で(ほんとはその前からblog界では知られてた人ですが、説明すると長くなるので省略します。彼は03年3月から5月の「戦争が継続していたとき」の民間人犠牲者の特定調査を米国のNGOと一緒に行なった人です→ http://www.civilians.info/iraq/ )、当初は家族のグループ・ブログ。が、2004年3月に家族のメンバーそれぞれが別々のウェブログを持つようになり、そのときまでに私は彼ら家族と何度かメールのやり取りをしていたんですが、とりあえずRaedのウェブログ全体(プラス、ご家族のウェブログもできるときに)を日本語化するようになりました。(<日本語化の作業は今年8月で停滞しています。すみません。。。)

彼のウェブログは世界各地に読者がいる/いたのですが(英米のほか、コメントから覚えているのは、オランダ、イタリア、フランスがけっこう多い)、Raedが彼のブログにコメント欄をつけたのは、2004年11月です。(ちなみに、2005年9月にはコメント欄を閉じました。だから今、オリジナルが確認できない、という次第です。。。)

さて、問題のコメントが投稿された記事について、今も確認できることから経緯を整理すると:

・Raedさんがオリジナルの記事をアップしたのが2004年11月10日(当時の彼のブログがどこの時間で設定されていたのか、わかりません。blogger.comのデフォルトで米ESTだったとは思いますが・・・確信はありません。)

・それを私が日本語にしたのが、日本時間で11月11日、アップロード時刻は「10:45 AM」です。

そして、Raed blogに投稿された問題のReiさんのコメントですが、困ったことに、Raed blogのコメント欄は、日付が表示されなくて、「11:30 PM」と時刻だけなのです。なので見つけたときから日付はわかりませんでした。どこの時間帯なのかもよくわかりません。(ESTなのかGMTなのか、など。)

これは、当時のbloggerのコメントのシステム全体の仕様だったと記憶しています。(現在は「dd/mm/yy+時刻」で表示することもできるようになっていると思います。)

そして、Reiさんのコメントを私が見つけたのは、Raedの記事の日本語化の作業が終わったあとです。この人のコメントは前にも見たことがあって、IHTかNYTか何かの記事を紹介していたコメントが私に役立ったので、名前が記憶にあったんじゃないかと思います(ただし、誰かほかのコメント投稿者と混同している可能性もあります)。だから、絶好調の「荒らし」のコメントと、「この荒らしを何とかしたら?」のコメントはスルーしつつ(それらだけで100件くらいはあったはず)、コメント欄全体をざっと見ているときに、「この人のコメントなら読んでおこう」と思ったんだったと思います。

なお、11月10日の記事の1つ前に11月9日の記事があり、その投稿時刻が10日記事日本語訳の投稿時刻と近い。ということは、私は9日と10日の記事をまとめて日本語化して、2つ連続で投稿したのだと思います。2ファイルだと作業時間はだいたい40分〜60分くらいですから、コーヒーを入れたりとかいう雑多な時間を引いて、9時半くらいに日本語化の作業を開始したと推測されます。この日本語化の作業をするためにRaedのブログを見たときは、まだReiさんのコメントはなかったと思うのですが、その点はもはや定かではありません。

さて、私が日本語化した記事を投稿していた
http://raedinthejapaneselang.blogspot.com/
で、これの次の記事の投稿時刻を確認すると、「1:22 PM」となっています。この日はYahoo! Japanさんに返信したりしていたはずなのですが、「10:45 AM」と「1:22 PM」の間にちゃちゃっと作業をすることは不可能ではないので、その間にReiさんのコメントを見つけ、日本語にして追記した、という可能性はありますが、そうであるとは言えないです(=「1:22 PM」よりも後、ひょっとしたら12日になってからだったかもしれません)。

冗長ですみません、自分でも記憶をたどりながら書いてます。

ともあれ、私がReiさんのコメントを追記したのが正確に何日の何時なのかは、もうわからないにせよ、正確なのは、追記を行なったのは、2004年11月11日午前10:45(日本時間)から後、ということです。

よって、reishiva.exblog.jpさん(シバレイさんのウェブログですね)で「同じ内容のものが11/12」となっていることは、何らおかしなことはないと思います。

本筋に関係のない余談です……なんか段々思い出してきました。当該のコメントが投稿されていた記事とその前後の記事のコメント欄は、「荒らし」と同時に、「あのメディアは信用できる・できない」で大混乱だったはず(14日のこのウェブログの記述を見るとそうだと思う)。「BBCはファルージャ内部からレポートさせてて、インサージェンツの味方だから信用できない」論というのがあったことを思い出しました。実際にはそのファルージャ内部から報道していたジャーナリストという方は、BBCだけでなくロイターなどとも契約しているフリーランサーで、なぜそんな批判が出るのかキツネにつままれたような気分だった。だから「ワシントン・ポストが報道した」ということが強烈だったんです。(自分で読み返すと「Wポストが」をやたらと強調しているのに驚いてしまうほどです。)
いけだ (2005-11-25 00:20:30)

■ 最後の「余談」のところで修正↑
> 「あのメディアは信用できる・できない」で大混乱だったはず(14日のこのウェブログの記述を見るとそうだと思う)。



「あのメディアは信用できる・できない」で大混乱だったはず(昨年11月14日のこのウェブログの記述を見るとそうだと思う)。
いけだ (2005-11-25 00:24:27)

■ Re: 榴弾について
>名無しWP弾さん
解説をありがとうございます。助かります!

> 恐らく以前に 「Mix Fruits Pudding」と呼ばれていた迫撃砲特有の射撃パターンです。イラクでは「Shake and Bake」とも呼ばれているようです。

Shake and Bakeについては、この記事(2005-11-09 12:28:47投稿)の後に投稿した記事に何度か出てきているのですが、やはりこの"Dolly Mixture"と"Shake and Bake"は同じものと考えられるのですね。テレグラフもそういう書き方をしていたのですが、正直、イマイチわからない部分がありました(英軍の話をしていたり米軍の話をしていたり?と思っていたのです。ひょっとすると「うっかり」かもしれないですが)。

Dolly mixtureについては英陸軍の将校(昨年退役した)の回想録に書かれているそうです。(その回想録そのものを取り寄せ中です。届くのに2〜3週間かかりそうです。)

"mix fruit pudding"も検索してみましたが、レシピばっかり出てくるので、今度改めて探してみます。

> これは通常榴弾とWP弾を一発毎に交互に射撃していくパターンで、迫撃砲は榴弾砲に比べ命中率が悪い為に、WP弾を混ぜて煙による視覚的心理的効果を狙った射撃パターンです。味方歩兵の突撃直前に行います。榴弾砲ではあまりやらないパターンですが迫撃砲では定番です。

なるほど。勉強になります。

> さて問題なのは明らかに迫撃砲なのにgrenadeと読んでいる点です。迫撃砲(Mortar)の砲弾はgrenadeではなくshellですし・・・手榴弾以外でも擲弾筒ならば弾種はgrenadeです、しかし81mm Mortarは明確に迫撃砲です。

うーむ。。。私には単純なことしかできませんが、ケンブリッジ辞書で定義を見てみました。

grenade
a small bomb thrown by hand or shot from a gun:
(手で投げる、あるいは銃から撃たれる、小型の爆発物)
http://dictionary.cambridge.org/define.asp?key=34423&dict=CALD

……やっぱり何の解決にもならなかったですね。

よりによってテレグラフがgrenadeという語を使っていることがますます気になってきました。軍事はテレグラフの「得意分野」のはずなのに。(ただ2003年以降編集長と社主が変わっているので、かつての定評が今もそのままかどうかは、ちょっとわからない部分もあります。)

> その翻訳は不適当です。roundは「砲撃」と訳すべきです。

> 榴弾は英語(軍事専門用語ですが)で「High Explosive」と呼ばれます。略称でHE。HE弾。

ご指摘とご教示をありがとうございます。辞書にメモって今後に活かすようにします。m(_ _)m

> >bombは英語(UK用法)であり、実はshellである
>
> それは有り得ません。恐らく・・・このbombという表現は「航空機から投下される爆弾」の意味ではなく、時限爆弾や自動車爆弾のような意味で使われる広い意味での「爆発物」を指しているのでしょう。

やはりそうお考えになられますか。。。セムテックスをbombと呼ぶような用法ですね。

ちょっと見ていただきたい記事があります。BBCです。記事を書いたのはベテラン特派員で、専門は紛争・戦争といえるような方です。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4442988.stm

ずーっとスクロールダウンしたところにある、黒地に緑みたいな写真ですが、キャプションに
White phosphorous being used over Falluja
(ファルージャ上空で使用されているWP)
とあるのですが、実はこれが疑問というか何というか、本当にわからないのですが、これは「何」と考えられますか?(「名無しWP弾」さんだけでなく、ご閲覧の方で何かおありの方、書き込んでください。)

というのは、BBCサイトの記事の写真のキャプションは、常に2行のスペースがあります。で、このキャプションは2行と1語で、まだまだ余裕があります。だから、例えばWhite phosphorus shells [or: bombs] being used ... といった形の、よりspecificなキャプションをつけることは可能なんですが、していない。

単にそこまで特定する習慣がないだけかもしれないし、こんなことにひっかかるなんて「刃物」と「出刃包丁」の違いにひっかかってるみたいなことかもしれないんですが、ご意見をうかがってみると、やっぱりこれがひっかかるのです。

なお、これの動画を、昨年11月の作戦進行中にBBCかYahoo UKかRTE(アイルランド)かどこかのサイトで見たのですが、方向は下から上ではなく、上から下で、真っ暗ななかで上の方(上空)で炸裂し、下(建物の上)に子爆弾様のものがバラバラと落下していました。なので映像を見たときはクラスター爆弾であるに違いないと思っていました。(素人のトンデモない勘違いなのかもしれませんが。。。)ナレーションは印象に残っていません。

そしてWPについてかなり慎重になっている様子のBBCが、この写真については何ら留保なく「WP」であるとして、記事のバナーのように使っています。(現状では、当該記事の右側コラム、「イラク特集」のバナーのちょっと下に見られると思います。)

そしてそのことに対して、米国も英国も、政府・軍ともに、何もツッコミを入れてないようなのです。(英国営BBCに対して政府や軍が何か言ったら、BBC側で黙ってサシカエになるか、あるいは「政府がそう言いました」とかいう記事になるのが通常ですよね。<「違う」ということがあれば言ってください。)

もしもの話ですが、この写真がWPでないとしたら……つまり、別なものの写真を見せて「これがWPだ」と言っていることになるとしたら、ということですが――そんなことはまずありえないと思ってはいるのですが――「なぜ???」と思うのです。

テレグラフはgrenadeと書くし、本当にもう、わけがわかりません。(T T)
いけだ (2005-11-25 02:00:36)

■ 用語法のリスト(参考)
ここまでの一連のコメントで私が言及した記事について、用語法を見るために拾ってみました。

同時にこのコメントは、2005-11-24 11:17:41の私のコメントへの補足もかねています。

2005-11-24 11:17:41のコメント内で言及したテレグラフの記事と同じことを報道するBBCの記事から用語・用例を拾い、それぞれを簡単に分析(というほどのものではないですが)してみました。記述の中において、WPという語がいかなる位置づけをされているか、どのような語を伴っているかを見ることが目的です。

まずはBBCの記事:

US used white phosphorus in Iraq
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4440664.stm

「記事」部分(「解説」を除く部分)の記述から核になる部分だけを拾うと:

US troops used white phosphorus as a weapon(WPは物質扱い)
the substance ... had been used(WPは物質扱い:the substanceと置き換えられている)
the use of the substance(WPは物質扱い:同上)
white phosphorus had been used in Falluja(WPは物質扱い)
white phosphorus incendiary munitions(incendiary munitionに含まれている物質、というか、WPはincendiary munitionの中身、という書き方)
US forces could use white phosphorus rounds(上と同様に、WPはroundsの中身、という書き方)
he [=an embedded journalist] had seen white phosphorous used "as an incendiary weapon"(このWPは物質扱い? それともround、あるいは書かれていないがshellなどといった具体的なもの? この記述だけでは不明)

――というように流れています。(すべてにわたって、grenadeなのかroundなのかshellなのかbombなのかははっきりとは明記されていない、と言ってもよいくらいだと思います。)

一方で、テレグラフでは、記者はgrenadeと言い切っている形です。

Chemical grenade used on rebels, says Pentagon
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2005/11/16/wirq116.xml

記事から引用すると:

it had used an incendiary grenade(このセンテンスにはWPという語句は含まれていないのですが、指し示しているものがWP兵器であることは、修飾語句と後続のパラグラフ群から明白です。なお引用部分は従属節内の主節【←変な言い方ですが】で、主節の主語はthe Pentagon)
it was using white phosphorus grenades(grenadeと特定:引用部分は従属節で、主節の主語はAmerica)
The grenade burns into exposed skin(grenadeと特定:直前とのつながりより、The grenade = WP grenade)
Lt Col Barry Venable ... confirmed that the grenade had been used(grenadeと特定:米軍のスポークスマンの発言として伝えているが、grenadeと書いているのは記者)
White phosphorus is a conventional munition. (WPは物質扱い:Lt Col Venableの発言の一部で、引用符に入っている)
It [=WP] is not a chemical weapon.(同上)
it [=WP] is an incendiary weapon(同上)
it [=WP] was used as an incendiary weapon(同上)
one technique is to fire a white phosphorus round into the position(grenadeではなくroundと特定:ただし一般論を語っている部分らしく、「Fallujaで使われた」という限定との関連はこの記述からだけでは判断不可能)

テレグラフの記述をまとめると、「地の文」(多くが間接話法ですが)ではgrenadeになっていて、米軍の人の発言内容では、WPそのものは物質扱いで主語、補語がmunitionやweaponである(=bombかshellかgrenadeか等は特定していない形)ものが4例あるのと、戦闘のときの方法論として「white phosphorus round」を発射するというテクニックがある、という部分での、roundと特定した形が1例。

以上、BBCとテレグラフを付き合わせると、「WPが使われている」ことでは一貫しているけれども、それがどういう形態なのかについては、やっぱりよくわかりません。

テレグラフ記事を単にテクストとして処理した場合(この報道のコンテクストとか、あるいはWPについての予備知識とかが一切ない状態で読むと仮定した場合)、WP grenadeという語句は記事を書いた人しか使っていないことから(間接話法ですが引用符がないので、元の発言のそのままの引用ではない)、米軍のスポークスマンの言っているものとWP grenadeが合致するのかどうかが断定できません。(むろん、munitionやweaponにgrenadeは含まれているのでしょうが、米軍の人がmunitionやweaponと呼んでいるものが、grenadeではなくて例えばshellであるといった可能性は、このテクストだけでは、否定できないです。)<テクストだけで読むから回りくどいです。

……「名無しWP弾」さんの「どうも報道に偏りがあるような気がします」に何とかお返事できないかと思って、英語としてある程度細かく見てみたのですが、やっぱり結局「わかりません」になってしまいました。。。(^^;)

#以上、引用部分で「前略」「後略」の印の"..."は、見た目が煩雑になることを避けるため、つけていません。「中略」だけはつけてあります。

それから、
「名無しWP弾」さん@2005-11-23 16:38:24:
> > 昨年は手榴弾(grenade)しか使ってなくて、最近は砲弾(shell)しか使ってないということなんでしょうか。

私@2005-11-24 11:17:41:
> 確か昨年はround(榴弾)やshell(砲弾)だったような気がします。grenadeは昨年の記事にあったかどうか……あいまいなので、確認してみます。

この件ですが、shellとroundの使用例は見つかりました。昨年の攻撃当時にエンベッドでファルージャにいたサンデー・テレグラフの海外特派員チーフ(公式サイトのプロフによると元英海軍だそうです)の書いた「説明しておこう」的な短い記事(今年の11月20日)と、同じ人による当時の記事(昨年の11月9日)を引用します:

今年の:
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2005/11/20/nphos120.xml

White phosphorous shells were fired into its streets, even before the offensive to wrest control of Fallujah from insurgents led by the Abu Musab al-Zarqawi, 〔最後のコンマは原文ママ〕

昨年の(記事全体を読むと、上の、今年11月20日の記事の具体例の1つであるように思われますが違うのかもしれません。。。):
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2004/11/09/wirq109.xml

A Phantom Abrams tank moved up the road running along the high ground. Its barrel, ... *snip* ... swivelled towards the city and then fired a 120mm round at a house where two men with AK-47s had been pinpointed.

……今年の解説記事がshell、昨年の現場からのレポートがroundとなっています。いずれでも、M110かどうかは私にはわかりません。Globalsecurity.orgの右コラムを見ると、「M110 155mm」とあり「M929 120mm mortar」とありますから、120mm roundというのは「M110」ではなく「M929」のことか?とは思います。

grenadeについても、同じ人が書いた昨年11月9〜20日の記事を見たのですが、grenadeの使用例は:

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2004/11/15/wirq115.xml
米軍人が反乱者のRPGの直撃を受けたという記述の中(hit in the abdomen with a rocket-propelled grenade)に出てくる

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2004/11/17/wirq17.xml
反乱者がカラシニコフとRPGを使っていたという記述の中(They had been using AK-47s and rocket-propelled grenades)に出てくる

以上の2例だけです。つまり、「RPG」というまとまった語群の中に出てくるだけです。

……となると、名無しWP弾さんが「明らかに迫撃砲なのにgrenadeと書いているのは問題」とおっしゃっているテレグラフの記事▼のgrenadeが、ますます謎??(このテレグラフ記事を書いたのは、特派員チーフではありません。軍事担当記者です。)

Chemical grenade used on rebels, says Pentagon
By Thomas Harding, Defence Correspondent
(Filed: 16/11/2005)
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2005/11/16/wirq116.xml
いけだ (2005-11-25 02:16:30)

■ 【おわび】日本語が変なところが多いかもしれません
おわびです。

25日付け、ここまでの一連のコメントで、細かい部分で日本語が変なところ(余分な語が入っている、必要な語を抜かしている、単純にコピペしていて前後を考えていない)があるかもしれません。

例えばすぐ上の
「このテレグラフ記事を書いたのは、特派員チーフではありません」は
「このテレグラフ記事を書いたのは、サンデー・テレグラフの特派員チーフではありません」であるべきです。
(ドメインが同じなので、サンデーと平日のテレグラフは別であるということを明示する意図だったのですが、肝心なところを抜かしています。)

もう少し上にスクロールした
「M929」のことか?とは思います。 は
「M929」のことか?と思います。 の間違いです。

読み返して投稿しているのですが、以上にみるようにへろへろになっているらしいので、私の書いている日本語が意味不明のところががあったらお手数ですがご質問ください。>all
いけだ (2005-11-25 02:42:55)

■ NO TITLE
>http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4442988.stm
>White phosphorous being used over Falluja
>これは「何」と考えられますか?

発生している煙と光から、空中炸裂したWP弾であると思われます。VT信管(Variable Time fuze)を用いています。着発信管ではなくこれを使うという事は、標定マーキングではなく煙幕展開ないし夜間照明用です。

↓これは用途が違う(戦車の煙幕用)のですが、白燐弾を空中炸裂させた様子です。
http://keith.cside1.com/fire/jgsdf/p1283.jpg

↓標定マーキングとして大地に撃ち込んだ場合
http://www2u.biglobe.ne.jp/~valwal/soka/h14soka/smoke.JPG

上記二つは富士総合火力演習での様子です。私見ですが、上の写真では観客席の目と鼻の先でWPスモークを派手に炸裂させている点から、この煙がそれほど酷い毒性を持つとは考え難いと思えるのです。(毒性が高ければ、もし観客席へ強い風が吹いたら…)燃えている白燐も、広範囲に飛び散らないからこそあの距離でバラ撒けるのであると。

広がる煙は毒性が低く、熱そうな白燐片は弾殻破片ほど遠くまで飛び散らない。それはつまり、通常榴弾のほうが殺傷力が高い事を意味するものと考えます。


>映像を見たときはクラスター爆弾であるに違いないと思っていました。

クラスター爆弾やMLRSで攻撃された場合、この程度では済みません。

http://www.higashi-nagasaki.com/g_a/G53-52.html

白燐弾の焼夷効果は副次的なものです。攻撃兵器としてみた場合、クラスター爆弾どころか通常の榴弾にも劣ります。


>「RPG」というまとまった語群の中に出てくるだけです。

RPGとはロシア製対戦車ロケットランチャーのRPG-7の事です。これは「擲弾」の範疇に属するため、grenadeでも構いません。グレネイドランチャー(Grenade Launcher)の一種に扱われます。

余談ですがこの種の兵器でWP弾を発射可能なものに、スウェーデン製のカールグスタフ84mm無反動砲があります。RPGと同じく肩撃ち式のバズーカ砲に近いもので、サマワの陸上自衛隊も現地に持っていっています。


>テレグラフはgrenadeと書くし、本当にもう、わけがわかりません。

テレグラフはgrenadeを「弾薬」という広い意味で使っている可能性があります。しかし軍隊用語では歩兵が一人で投擲できる射程のごく短い炸裂弾を意味します。

名無しWP弾 (2005-11-25 14:50:26)

■ 御礼(名無しWP弾さんへ)
たびたびのご教示、ありがとうございます。

先週末から体調を崩して寝込んでしまっていて御礼が遅くなりました。

一両日中に改めてお返事を書きます。取り急ぎ御礼のみ。ありがとうございました。
いけだ (2005-11-28 16:27:41)

■ 燐の生化学的毒性についての国際的認知
フューム(fume):固体微粒子で粒径が1ミクロン以下のものがフューム、1〜100ミクロンをダストと呼びます。
いわゆる"煙"は、ほぼフュームと言っても差し障りはありません。煙草の煙やディーゼルエンジン由来の煤煙もフュームにカテゴライズされます。
ちなみに1ミクロン前後の液体微粒子はミストと呼び、雲もミストです。

燐の健康被害は、溶融燐より沸点以下でも発生する高濃度ガスが大気中で析出して固形微粒子の雰囲気を作り出し、ガスとフュームを吸引することによる長期毒性の結果です。
燐は人間にとっても重要な生理物質ですので、過剰摂取すればその影響を容易に蒙ります。ですが同時に生理物質をコントロールする能力も会得していますので、燐を摂取=重篤な障害とはなりません。
また燐自体は脂溶性の物質ですので人体への吸収度は比較的低く、致死量が1g以下と言ってもこの重量を経口摂取すれば即座に死に至る訳でもありません。
かつての燐産業で見られた健康被害のプロセスは、多分に推測も含みますが
"燐フュームを吸い込む→ゆっくりと自然に酸化(燐光を発するあれです)で十酸化四燐へ→速やかに吸湿して燐酸へ→この段階で初めて生体吸収されて、人体へ影響を及ぼす"
と言ったところであろうと思われます。

白燐弾については燃焼により白煙を生じ、この白煙自体が燃焼生成物である五酸化二燐のフュームです。
従ってファルージャで生じるのは上記よりも短縮された"白煙に触れる・吸い込むなど→速やかに吸湿して燐酸へ→生体吸収"となり、燐そのものによる健康被害はあっても僅かと考えるのが妥当でしょう。
無論、直接燃焼する燐を浴びればその限りではありませんが、使用量及び有効半径のごく一部となる燃焼域の広さから鑑みても、主に扱われるべきは白煙を吸い込んだ場合の健康被害であろうと推察されます。
そして燐も燃焼生成物である五酸化二燐も吸湿して生成する燐酸も、皮膚・粘膜に対する腐食性を有していますので、肌荒れや薬傷(薬物火傷)を生じさせますが、皮膚や肉を溶かすことはありません。
厳密に言えば微視的なプロセスとして生体物質を冒す物質ではありますが、白煙をかい潜った程度では、目視観察可能な現象的には上記の通り薬傷止まりです。

これは国際的な労働安全を喚起するICSC(下記URL参照)に於いても、接触・吸飲による短期毒性がメインで、長期毒性として認知されているものには「骨に影響を与えることがある」としか無いことからも、皮膚粘膜に対する影響がこの物質の毒性を評価する上で、明らかに主体を為すと考えられている証左であろうと愚考する次第です。
燐 http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0628c.html
五酸化燐 http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0545c.html
燐酸 http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss1008c.html
冶金系 (2005-11-28 20:17:29)

■ 追記
この一件に関しては「吸い込むと中から焼かれる」といった記述もネットでは散見されますが、なにしろ酸になる物質ですので吸い込んだ人は「肺が灼けるようだ」と表現することもあるとは思いますが、化学的な意味で「焼ける」ことはありません。

そもそも燐が燐のままで大気中に存在するのが困難なのですから。
ましてや燃焼して光と白煙を出すことを企図している兵器としての白燐弾なら、なおさら未燃焼の燐があると考えるのは無理があります。
仮に焼夷効果を企図したものであるなら、燃え残りが生じるなど尚更無理があります。

いけだ様を論っているのではありませんが、正直な感想を言わせてもらうと、燐に限らず化学的毒性やそのプロセスについて表面的にさえ知らない人・知ろうともしない人がネットでさえかなり居る事には同僚と共に驚くばかりでした^^;
冶金系 (2005-11-28 20:47:43)

■ 御礼(冶金系さんへ)とP4O10について
>冶金系さん
丁寧にご教示いただきありがとうございます。

何しろ化学は高校以来ですから、燃焼した物質がどう、というところをゆっくり考えないと話がわからないのです。いわゆる「理系」と「文系」のギャップみたいなことかもしれませんが。。。(^^;)

P4O10については、英文の情報の多くが下記2件の情報に依拠しているようです。

まず、
http://ptcl.chem.ox.ac.uk/MSDS/PH/phosphorus_pentoxide.html
を参照したところ、
Stable, but reacts violently with water, alcohols, metals, sodium, potassium, ammonia, oxidizing agents, HF, peroxides, magnesium, strong bases.

→安定した物質であるが、水、アルコール、金属、ナトリウム、カリウム、アンモジア、酸化剤、HF(? hafnium?)、過酸化物(過酸化水素)、マグネシウム、強塩基と激しく反応する

次に、
http://www.sciencelab.com/msds.php?msdsId=9924773
を参照したところ、
Potential Acute Health Effects:
Extremely hazardous in case of skin contact (irritant), of eye contact (irritant). Very hazardous in case of ingestion, of inhalation (lung irritant). Hazardous in case of skin contact (corrosive). The amount of tissue damage depends on length of contact. Eye contact can result in corneal damage or blindness. Skin contact can produce inflammation and blistering. Severe over-exposure can produce lung damage, choking, unconsciousness or death. Inflammation of the eye is characterized by redness, watering, and itching. Skin inflammation is characterized by itching, scaling, reddening, or, occasionally, blistering.

→皮膚に触れると極度に有害(刺激性)、目に触れても極度に有害(刺激性)。
摂取した場合は非常に有害、吸い込んだ場合も非常に有害(肺に刺激性)。
皮膚に触れると有害(腐食性)。
組織のダメージの量は、接触している長さに応じる。
目に触れると角膜損傷もしくは失明に至る場合がある。
皮膚に触れると炎症・水疱を生じさせる場合がある。
ひどく過度にさらされると(<直訳:severe over-exposure)肺のダメージ、呼吸困難、意識喪失もしくは死を生じさせる場合がある。
目の炎症は充血、なみだ目、ちくちくした痛み(かゆみ)に特徴がある。
皮膚の炎症はちくちくした痛み(かゆみ)、皮むけ、あるいは時として水疱に特徴がある。

……とあるのですが、どちらも「どのくらいさらされていると」という情報がなく、イマイチぴんと来ません。(後者はacuteですから「急性」であって「慢性」にさらされているという状態ではないのですが。。。「慢性 Chronic」のほうはN/Aが多くて、データが少ないのかな?と思いました。)

http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0545c.html
も拝読したのですが、何というんでしょう、「接触している長さに応じたダメージ」というものの、例えば煙を大量に吸い込んだら即座に粘膜がただれてしまうのかといったことが、どうもわからないのです。というのは、「化学兵器だ」と断言しているのは、ほかならぬ、元米兵なので。。。(彼は物質としてCWCに規定されているとかいうことを言っているのではなく、効果のことを言っているのだと思います。)

その点でもし何かご存知のことがあればご教示いただけますと幸甚です。(またもや、ずうずうしくすみません!)

なお、www.nihs.go.jp のページで
「NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)2;F(燃焼危険性)0;R(反応危険性)2」
となっていますが、
http://www.sciencelab.com/msds.php?msdsId=9924773 では
National Fire Protection Association (U.S.A.):
Health: 3
Flammability: 0
Reactivity: 1
……どっちが新しいのかわかりませんが、もしwww.nihs.go.jpのデータが古いのであれば(97年作成の日付があります)連絡した方がいいのでしょうか?……って冶金系さんにうかがう質問ではないですね。失礼しました。
いけだ (2005-11-29 00:12:36)

■ 名無しWP弾さん@2005-11-25 14:50:26へのレス
>名無しWP弾さん
写真などご教示ありがとうございます。「名無しWP弾」さんとこうしてお話させていただいて「専門性」のすごさがわかりました。

VT信管について、これ↓ですよね?(最初から英語で入れておかないと、英語で読んだときにわからなくなるので英語ソースを。)

(4) Variable time. A variable time (VT) fuze transmits a radio signal and, by measuring its reflected energy, automatically functions to provide either a 7- or 20-meter height of burst.
http://www.fas.org/man/dod-101/army/docs/st100-3/c5/5sect3.htm

> 着発信管ではなくこれを使うという事は、標定マーキングではなく煙幕展開ないし夜間照明用です。

あの、とても初歩的な疑問なのですが、照明弾であるとして、燃え尽きる前に地面に着弾し、しかもあんなに早く落ちてきてしまうものなのでしょうか?(炸裂してから着弾するまで、2秒ちょっとくらいでした。)

> http://keith.cside1.com/fire/jgsdf/p1283.jpg

似た写真を、資料集のサイト(英語版:URL失念)で見ました。第二次大戦のときのものとキャプションがあったように記憶しています。

> 上記二つは富士総合火力演習での様子です。私見ですが、上の写真では観客席の目と鼻の先でWPスモークを派手に炸裂させている点から、この煙がそれほど酷い毒性を持つとは考え難いと思えるのです。(毒性が高ければ、もし観客席へ強い風が吹いたら…)燃えている白燐も、広範囲に飛び散らないからこそあの距離でバラ撒けるのであると。

なるほど。。。観客はまったくの無防備(マスクやゴーグルなど無し)ですしね。

これ以上テクニカルな話になると私にはついていけそうにないのですが(^^;)、提示してくださった写真と「名無しWP弾」さんのおっしゃることにはなるほどと思います。

煙の毒性については英語のサイトでも意見が割れていて、「lethalだ」という科学者(あるいは化学者)もいれば、「そんなことはない」という元軍人もいる、という感じです。このあたりのことはここでコメントに書いていても読まれない可能性があるので、別項記事でまとめたいと思います(時間はかかります)。

> 白燐弾の焼夷効果は副次的なものです。攻撃兵器としてみた場合、クラスター爆弾どころか通常の榴弾にも劣ります。

なるほど。。。(<こればっかりですみません。)あえてそのために使うようなものでもないのだが、というところなのでしょうか?

> RPGとはロシア製対戦車ロケットランチャーのRPG-7の事です。これは「擲弾」の範疇に属するため、grenadeでも構いません。グレネイドランチャー(Grenade Launcher)の一種に扱われます。

まったくの余談ですが、最初に「RPG」という文字列を見たとき「なぜこんなところにロール・プレイング・ゲームが?」と思ったものです。こんなもんです、私。。。orz

> 余談ですがこの種の兵器でWP弾を発射可能なものに、スウェーデン製のカールグスタフ84mm無反動砲があります。RPGと同じく肩撃ち式のバズーカ砲に近いもので、サマワの陸上自衛隊も現地に持っていっています。

また余談ですが、「カールグスタフ」を初めて文中で見たときは(ポリティカル・サスペンスの小説:和訳)「このスウェーデン人は誰?」と。。。orz

> テレグラフはgrenadeを「弾薬」という広い意味で使っている可能性があります。しかし軍隊用語では歩兵が一人で投擲できる射程のごく短い炸裂弾を意味します。

あの用語法については、今度テレグラフに問い合わせてみようかと思っています。実行できないかもしれませんが。(プライオリティが低いのと、メール問い合わせ窓口がわかりづらいので。)
いけだ (2005-11-29 01:36:57)

■ NO TITLE
>照明弾であるとして、燃え尽きる前に地面に着弾し、
>しかもあんなに早く落ちてきてしまうものなのでしょうか?

もともと煙幕弾としての機能がメインの為、専用の照明弾(落下傘付き)よりも早く落ちてきます。

>観客はまったくの無防備(マスクやゴーグルなど無し)ですしね。

はい。WPガスが観客席を襲っている写真まで発掘されました。

http://www.remus.dti.ne.jp/~igaya/020831hp0001.gif
名無しWP弾 (2005-11-29 22:12:58)

■ 質問があるのですが(新たな情報)
名無しWP弾さん、いつもありがとうございます。なかなかレスが返せなくてすみません。

> もともと煙幕弾としての機能がメインの為、専用の照明弾(落下傘付き)よりも早く落ちてきます。

あ、そういうことですか。とてもわかりやすい説明をありがとうございます。

ところで12月1日付けの米地方紙(だと思います。ボストン・ヘラルドのグループのようです)の記事にこんな記述があったのですが:
http://www2.townonline.com/wellesley/opinion/view.bg?articleid=380462

In U.S. military weaponized form, white phosphorus is mixed with jet fuel in 500-pound bombs, and called MK-77.

「米軍において兵器化された形では、白燐は500ポンド爆弾でジェット燃料と混合され、MK−77と呼ばれている。」

Colloquially, military personnel refer to MK-77 as WP (for white phosphorus) or Whiskey Pete.

「日常の用語では、軍人はMK−77のことをWP(白燐の頭文字)またはウィスキー・ピートと呼ぶ。」

……これが本当かどうか、私でもわかるサイトがあればご教示いただけないでしょうか。

なお、上記の記事を書いた人は、ゲスト・コラムニストのRobert Sarlyさん。記事の最後のページに、Robert Sarly is a resident of Sabrina Roadと紹介されているだけで、著作などはないようです。
いけだ (2005-12-02 15:19:01)

■ MK−77
上の私のコメントは、別記事にもダブルポストしましたが、
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-6d4f530cbedfd6a670e5b76ddb7b7475.html
レスをいただける場合、どちらか一方だけにご投稿いただけるだけで大丈夫です。紛らわしいことしてしまってすみません。

MK−77については、RAIのフィルムの最後の方で英国での動き(アダム・イングラム国防閣外相)がその使用を認めたという件に関連したくだりがあるのですが、RAIのサイトにそのときのイングラム閣外相のレターの画像が上がっているので、リンクを貼り付けておきます↓。

http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/foto/documento_ministero.jpg
いけだ (2005-12-02 15:36:05)

■ 武器の使い方
決していけだ様の知識レベルを云々したいわけではなく、ここにお集まりになる方々の参考ということで、凄く乱暴に解説してみます。厳密には違うところもあるのは承知で。より知識のある方はツッコミをよろしくです。

兵隊さんが持つ武器は、鉄砲と手榴弾(grenade)が主です。grenadeってのは古くからある兵器でして、要するに手で投げる「爆弾」です。手で投げるから、殺傷力の危害半径はそう大きなものじゃない。

じゃあ、強い敵が攻めてきたらどうするか?
普通は、戦場の後ろに居る大砲に「助けてくれ」と頼みます。これが支援砲撃。
ところが、これ、自分の上をとおって玉が飛んでいくわけです。もし自分の所に落ちてきたらたまらない。
だから、目標はここだよ、と教えてあげる必要があります。
そのために、手榴弾のかわりに、煙を出す発煙弾を使うようになるわけです。(これも古くから使われてます。)
もちろんこの他にも色々な奴があるんですが、煙を出すというのは、他にも色々使い道があるので普及してるんですね。

さて、今度は大砲です。
大砲は重くて運ぶのが大変です。でも兵隊さんは色々なところに出かけていきます。それで、大砲にも色々種類ができまして、その種類の中に迫撃砲(mortar)という大砲があります。(これもWW1頃の話)
大砲とはいっても、実際は台座のついたただの筒で、弾の方に仕掛けがあるんですけど、これが兵隊さんにとっては大変ありがたい大砲で、弾道が山なりになっていますので、塹壕に隠れている兵隊さんを撃つのに都合がいいんですね。

さて、今の時代に煙を出してどうするの、という話ですが、今は地上でもミサイルのように、誘導されて飛ぶ「玉」もあります。こういった厄介な敵に対して煙幕というのは大変効果がありまして。特に赤外線を使うミサイルにはえらく有効なんです。
場合によっては味方を守るために煙幕を張りたい場合もあるわけで、大抵の大砲には煙幕を張る弾が用意されています。

さて、問題のM-34ですが、手じかなもので言えば、自動車の助手席の下に必ず装備されている赤い筒、あれに近いと思ってくださいな。
車の中でアレを燃やす人は居ないから、決して無害ではないし、火がつくから危ないです。でも、放火したりするためのモノじゃないですよね。
で、現地の兵隊さんは、アレを、(破壊力のある手榴弾の代わりに)敵をいぶり出すために放り込んだ、と言ってるわけで、要するに、手加減してたということが言いたいわけなんですよ。

軍オタ諸氏は多分そういう理解をしているはずです。

で、MK-77ってのは、飛行機が積む爆弾の一種で、いわゆるナパーム弾、日本語で焼夷弾のことですね。朝鮮戦争の頃から使われているナパーム弾の後継で、革命的新兵器でも何でもないです。ただ、性根が液状の発火物ですから、長期間の保管上の問題はあるようですが、これとて、組成はガソリンとベンゼンとポリスチレンですね。

お目汚しすいません。
半可通 (2005-12-02 19:43:14)

■ コメントありがとうございます。
>半可通さん

はじめまして。わかりやすく丁寧なご教示のコメントをありがとうございます。こういう情報は、考え方とか立場とかがたとえ違っていたとしても、共有していくことが重要だと思います。書き込んでくださったことに感謝します。

> MK-77ってのは、飛行機が積む爆弾の一種で、いわゆるナパーム弾、日本語で焼夷弾のことですね。

はい。ただ、原料(「材料」と呼ぶべきなのでしょうか?)がガソリンじゃなくてケロセンを使っているということで、別扱いだとか、いや実質的には同じだとか、いろいろな意見が出ているのを、半年ほど前(だったと思います)に読みました。

今日はもうさすがに眠いので、簡単なレスですが、ここで失礼します。m(_ _)m

ところで基本的に「様」づけは苦手なので、勝手ながら「さん」でお願いできますと幸いです。
いけだ (2005-12-03 02:21:15)

■ ケロシン
ケロシン=ジェット燃料=灯油です。

ガソリンと兄弟のような軽比重油類ですが、
化学的にはガソリンより若干安定した物質ですね。

もっともナパームの非道さというのは
燃料や着火物質でなく、
燃料自体をゼリー状にすることで
炎が「粘着する」という処にあるわけですが。
zeke (2005-12-06 15:50:20)

■ 追信
どっちにしろナパームは
ガソリンや灯油の焼夷効果を期待する(が問題視)される兵器であり、
発火剤に白燐が含まれようが含まれまいが、それは殆ど関係のないことですね。

ですから

>白燐は500ポンド爆弾でジェット燃料と混合され、MK−77と呼ばれている。

この記事はある意味嘘は言ってないですが、白燐騒動に便乗したミスリードであるといえます。

あと、「500ポンド爆弾(500sling)」という通り名の、
通常爆弾(鉄の爆弾に火薬を詰めた一番オーソドックスな爆弾)が存在しているので、厳密に言うと誤訳とも言えますが。

また、mk77のことをウィスキー・ピートと呼ぶことは寡聞にして知りません。
普通は名前のごとく白燐を使った照明弾、発煙弾に使われる俗称です。
zeke (2005-12-06 21:11:41)

■ ありがとうございました(zekeさんへ)
>zekeさん

詳しいご説明をありがとうございました。仕事でしばらくオフラインにしていたのでレスが遅くなって申し訳ありません。

> 発火剤に白燐が含まれようが含まれまいが、それは殆ど関係のないことですね。

やはり「(材料がケロシンであろうがガソリンであろうが)焼夷効果を持つ兵器であること」が一番のポイントになりますよね。。。

> >白燐は500ポンド爆弾でジェット燃料と混合され、MK−77と呼ばれている。
>
> この記事はある意味嘘は言ってないですが、白燐騒動に便乗したミスリードであるといえます。

「ある意味嘘は言ってない」というご説明で、よくわかりました。なるほど、です。

In U.S. military weaponized form, white phosphorus is mixed with jet fuel in 500-pound bombs, and called MK-77.
は、より厳密に逐語訳すれば(inが難しいのですが):
「米軍において兵器化された形では、500ポンド爆弾において(の中で)白燐はジェット燃料と混合され、MK−77と呼ばれている。」

英文として、and called MK-77の主語はwhite phosphorus(すなわちwhite phosphorus is called MK-77)ととることが自然だと思うのですが、こういう点は実は書き手が勢いで書いていたりすることもあり、実際には「白燐とジェット燃料(ケロシン)が混合された500ポンド爆弾」のことを「MK-77」と呼ぶのだ、というのが事実かもしれず、ちょっと微妙なところです。

> また、mk77のことをウィスキー・ピートと呼ぶことは寡聞にして知りません。

私も調べてはみたのですが(検索して)、今のところ、そのような記述は当該の記事でしか確認できていません。また何かわかったら書き込みをします。

ありがとうございました。
いけだ (2005-12-10 15:55:18)

■ NO TITLE
> >白燐は500ポンド爆弾でジェット燃料と混合され、MK−77と呼ばれている。
>
> この記事はある意味嘘は言ってないですが、白燐騒動に便乗したミスリードであるといえます。

いえ、MK-77には白燐は一切入っていません。
名無しWP弾 (2005-12-11 09:27:31)

■ NO TITLE
特に「名無しWP弾」さんへのレス、というわけではなく、あとでまとめる(まとめられたら)ためのメモとして、このコメントを投稿します。

今年6月17日の英インディペンデント報道(議員の質問にAdam Ingram国防閣外大臣が回答したときのもの)に:

... Adam Ingram, the Defence minister, assured Labour MPs in January that US forces had not used a new generation of incendiary weapons, codenamed MK77, in Iraq.
http://www.informationclearinghouse.info/article9175.htm

とあります。

この、a new generationというのは、「ガソリンの代わりにケロシンを用いた」ということだけを意味するのだと、私は読解していますが、その点についてよりクリアな情報を探しています。どなたか、「ここにこういう文書があった」ということをご存知の方がいらしたら、ご教示いただけますと幸いです。m(_ _)m

(globalsecurity.orgの文書、fas.orgの文書は既に見たのですが、その点についての記述が「?」です。)

このインディペンデント記事が出たときのイングラム閣外相のレター(リンダ・リオーダン議員宛て?)が、上の方のコメントで投稿したURLにある画像です。
http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/foto/documento_ministero.jpg

このときのレターは、「米海兵隊(1 Marine Expeditionary Force; 1MEF)が2003年3月31日から4月2日のあいだに、合計で30のMK77を、軍事標的に対して使用した」というのがコアの情報で、そのほかの情報として「ベトナム戦争時代のナパームは2001年に破棄された」「MK77は正確性に限界があるので民間人がいるところでは使用されていない」といったことが書かれています。

このうち、「ベトナム戦争時代のナパームは2001年に破棄された」ということと、
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/dumb/mk77.htm
にある
The MK-77 is a napalm canister munition. The MK77 familiy is an evolution of the incendiary bombs M-47 and M-74, used during the conflict in Korea and the war in Vietnam. Napalm is an incendiary mixture of benzene, gasoline and polystyrene. The Marine Corps dropped all of the approximately 500 MK-77s used in the Gulf War.
という記述の、特に最後の文(湾岸戦争=1991年で概数500のMK77が投下された)に関連があるのかどうか(すなわち、湾岸戦争で投下されたのはベトナム戦争時代のものなのかどうか)が「?」で、かつ、2003年に軍事目標に向けて使用されたというMK77というのは、湾岸戦争で投下されたMK77と同じものなのかどうかが、「?」です。(湾岸戦争のMK77がベトナム戦争のころのMK77であるならば、それは2001年に廃棄されているので、2003年に使うことはありえない。であるとしたら、2003年に使われたMK77は何なのか? または湾岸戦争のMK77はベトナム戦争のころのMK77とは別のもので、それが2003年に使用されたのか?)

一方で、
http://www.globalsecurity.org/military/systems/munitions/mk77.htm
では、湾岸戦争のは「MK77 MOD4」、2003年のは「MK77 MOD5」と分類されていて、「MOD5」の方は次のように書かれています。

MK 77 Mod 5

In March 2003 the Pentagon denied a report in The Age that napalm had been used in an attack by US Navy planes on an Iraqi position at Safwan Hill in southern Iraq. A navy official in Washington, Lieutenant-Commander Danny Hernandez, said: "We don't even have that in our arsenal." The report was filed by Age correspondent Lindsay Murdoch, who was attached to units of the First US Marine Division.

The Mk 77 Mod 5 firebombs are incendiary devices with a function indentical to earlier Mk 77 napalm weapons. Instead of the gasoline and benzene fuel, the Mk 77 Mod 5 firebomb uses kerosene-based jet fuel, which has a smaller concentration of benzene. Prior to Operation Iraqi Freedom, hundreds of partially loaded Mk77 Mod5 firebombs were stored on pre-positioned ammunition ships overseas. Those ships were unloaded in Kuwait during the weeks preceding the war.

There was a report on Al-Jazeera on December, 14, 2001 that the US was using napalm at Tora Bora in Afghanistan. In response, General Tommy Franks said "We're not using -- we're not using the old napalm in Tora Bora."

The US Department of Defense denied the use of napalm during Operation Iraqi Freedom. A rebuttal letter from the US Depeartment of Defense had been in fact been sent to the Australian Sydney Morning Herald newspaper which had claimed that napalm had been used in Iraq.

An article by the San Diego Union Tribune revealed however, on August 5, 2003, that incendiary weapons were in fact used against Iraqi troops in the course of Operation Iraqi Freedom, as Marines were fighting their way to Baghdad. The denial by the US DOD was issued on the technical basis that the incendiaries used consisted primarily of kerosene-based jet fuel (which has a smaller concentration of benzene), rather than the traditional mixture of gasoline and benzene used for napalm, and that these therefore did not qualify as napalm.

つまり、「ガソリンじゃなくてケロセン」という点が、「MOD4」と「MOD5」の違いということに読めます。また、フランクス司令官の説明の内容が、「旧型(=MOD4のこと?)はトラボラでは使っていない(we're not using the old napalm in Tora Bora)」ということなら、新型は使っていたのだろうか、という疑問も・・・。

なお、イングラム閣外相のレターでは、使用されたのは軍事標的に対してであり市街地等への使用ではないとのことで、6月のインディペンデント記事で問題視しているのはその使用自体が違法であるとかいったことではなく、「米国は英国に対して『ナパーム型の爆弾(napalm-type firebombs)』の使用について正しい説明をしていなかった(The confirmation that US officials misled British ministers)」ということ、および、英国では5月に総選挙があったのですが、その総選挙前にそれが明らかになっていなかったことが、記事において問題視されている、ということだと思います。
いけだ (2005-12-11 17:26:00)

■ NO TITLE
>つまり、「ガソリンじゃなくてケロセン」という点が、
>「MOD4」と「MOD5」の違いということに読めます。

それで良いと思います。それとMK-77そのものについてですが、これは初期型(mod1〜mod3)も含めて全てベトナム戦争には投入されていません。この兵器はベトナム戦争の後に開発されました。

名無しWP弾 (2005-12-11 19:08:17)

■ りん・リン・燐
う〜ん、タバコ部屋でマッチ使って火ぃ〜つける人・・・
犯罪者ですね(爆)
true (2005-12-11 19:45:19)

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