『米軍はイラクで何をしたのか』
たとえば、3年前に夫を亡くしていたサビーハ・オベットさん。子供たちをつれ、白旗を掲げた乗用車にのってファルージャを脱出しようとした際、家からでて間もなく、米軍狙撃兵が後ろから車を銃撃した。
15歳の娘フワイダが即死。末息子のラフールもファルージャでは手当ができず、バグダッドの病院に運ぶ途中で死亡。
オベットさんは、米軍と占領について、次のように言う。
もし米兵を捕まえたとしても、私に何ができるでしょうか。米兵を切り裂き、引き裂いてやりたい・・・・・・でも私に何ができるでしょうか。私は米軍をみたくもない。とにかくイラクから出ていってほしい。米軍は私の子どもたちを殺し、イラクで多くの問題を起こしています。どうしてこれ以上、イラクに留まろうとするのか。戦闘機や戦車、軍用車など米軍に関するすべてがあの事件を思い出させます。とにかく今すぐイラクから出ていってほしい
米軍がオベットさんと同様の立場にたったら、ただ復讐のために殺しまくるかもしれない。無関係な民間人を拉致して「刑務所」で拷問し、写真を撮るかもしれない。そう考えるのは、これまでの米軍の振舞いから、不自然なことではないだろう。
米軍のファルージャ破壊と虐殺に対して闘った住人の一人マーゼン・アブドゥル・ジャバール氏は、米軍がファルージャを攻撃したのは米国人傭兵4人が殺されたからではなく、それはもともと計画されていた攻撃の口実を与えたにすぎないと言う。
本書では、私たちが、『ファルージャ2004年4月』で紹介した、まさに起きていることの目撃という視点から伝えられた出来事が、米軍の殺戮を生き延びた人々の証言を通して、住民の経験として浮かび上がる。
ウィ・アー・ノーット・アッタキング・イラク。ウィ・アー・リベレーイティング・イット(われわれはイラクを攻撃しているのではない。解放しているのだ)。ジョージ・W・ブッシュは、イラク侵略から間もなくして、米兵たちにこのように言った。
ファルージャで殺された約700人のうち、半数は女性と子供。米国とそれに追従するメディアがしたり顔で繰り返した「アルカイーダがいる」「一部の孤立した過激派が抵抗している」という嘘が、あからさまに露呈される。
今でもファルージャは断続的に米軍の攻撃を受けているが、西側の多くのメディアでは、ついでにしか扱われず、「米軍ファルージャを爆撃、XX人死亡、ザルカイ派を狙ったもの」という同じパターンのイカサマを繰り返す。
イカサマ・パターンの報道で数値としてしか扱われない人々の存在が、本ブックレットから立ち上がる。
言葉の遊びではなく、本当に、テロリストは誰か。
請われもせずに他人の土地に侵入して、クラスター爆弾を含む大規模な武器で寝ている子供たちや老人を大量殺害した米軍とそれを命じた者たちか、自分たちが暮らす土地をそうした殺害や侵略から守ろうとした住民か。
過激派とは誰のことか。
無差別空爆により女性や子供数百人を殺害し、根拠なしに拉致拘束したイラク人にあらゆる拷問を加え笑っている米軍とそれを命じた者たち、そしてその目線から大本営発表を繰り返す者たち、米による長期占領を「いいことですね」とのたまった小泉純一郎首相か。それとも、自分たちが暮らす土地をそうした殺害や侵略から守ろうとした住民か。
どんなかたちでも、『ファルージャ2004年4月』と一緒に読んでほしい、と思います。
過激派メディアが民間人を爆殺している者たちの目線でものごとを報じている中、あたりまえの民間人の目線から事態を知ることは、とにかく大切な第一歩ですので。
投稿者:益岡






