16日のKhalidさん記事(付:ファルージャの病院の医師からの必要品目リスト)
Jarrarさんたちとファルージャとの関わりについては,Faizaさんの4月のウェブログ記事(日本語化済み)をご参照ください。4月の包囲作戦の最中,Faizaさんがファルージャからお隣に非難してきた女性たちに話を聞いたものの記録です。
http://secretsinbaghdad.blogspot.com/
および,http://iraqblogcount.blogspot.com/
※どちらも同一内容です。
Saturday, October 16, 2004
どうもです!
みなさんお変わりなくお過ごしのことと思います。今日一日気分よく過ごせていますでしょうか。
ラマダーンが始まりました。僕はこの月が大好きです。忍耐と自制と鍛錬を教えてくれます。さらに,痩せるし,信仰がぐっと深まります。聖クルアーンもいっぱい,礼拝もいっぱい。ラマダーンの間は空気の中に宗教の香りが漂い,すべてが純粋で穏やかに見えます。すべての人々が人にやさしくなろうとします……。ラマダーンは1日5回の礼拝のほかに,毎日,1時間くらいの長い礼拝が1回あります。これは魂をリフレッシュさせ,心を穏やかさと静けさで満たします。
穏やかさと静けさ?
僕たちがそれをいかに必要としているか,神さまはご存知です……。
数日前,午前5時になる少し前に,僕たちの家から数メートルのところで,地雷【注:ファイーザの調査ではexploding pack】が爆発しました。
爆発は非常に強く,うちの窓は10枚落ちてしまい,さらに,父がアルミの窓枠を直そうとして11枚目を割ってしまいました。この窓枠は元々は長方形だったんですが,今ではドーム型になってます。
僕のベッドは窓のすぐ側にあり,僕は窓の方に頭を向けて寝ています。窓から僕の頭まで1フィート【注:およそ30センチ】くらいです。その窓が爆発直後に落ちてきたんですが,カーテンがあったのと,窓枠を補強してあったために,僕は難を逃れました。神さま,感謝します。
爆発音は僕が起きた後も2,3秒続いていたんですが,1秒が1分もあるような気がしました。最初の1秒の間はガラスの破片を避けようと身体をなるべく平べったくしようとし,同時に次の1秒まで命がありますようにと祈っていました。次の1秒になるとほっとして,また次の1秒までと願い,そして家族のみなはどこにいるかを考え始めました。爆発がおさまるとすぐ,僕はベッドから飛び降りて部屋からかけ出しました。母と父も同時にかけ出してきました。父も母も大丈夫なことを確認すると,僕はすぐにベッドに戻りました。すぐ近くで爆発があった,みんな無事だ,となれば,他に話をすることがあります? 僕はベッドに戻りました。
が,ベッドにたどり着くと父が呼ぶのです――ちょっと,ちょっと来い,大変だ!!と。
僕と母は父のところにかけつけたのですが……
うちのほとんどの窓が割れてしまっていました。爆発が近かったので,風圧と音圧を受けただけでなく,一帯の砂も全部うちに入ってきていて,本当にめちゃくちゃ。
ドアは3枚ダメになっていました。そのうちの1枚は金属のドアですが,ひん曲がってしまっていました。現在,そのドアはやっと閉められるか閉められないか,というものになっています。
すぐ隣の人は屋根で眠っていたんですが,かわいそうに,あの日は屋根で眠るには適さなかった。彼は無事ですが,地雷が爆発したときに戦車が通りかかったんだと言っています。目撃した人たちが,少なくとも3人の兵士が死んだと言っていました。でもむろんメディアがいなかったので,この件は米国サイドでは言われていません。
朝になって外に出ると,何もかもがわかりました。地面に米兵のヘルメットが落ちているのを見つけました。血まみれで,片側から押されてへこんでいました。名前が書かれていました。
僕はそれを見つめて,立ちつくしていました。
気の毒に,と思いました。1000マイル離れたどこかで,ひとりの妻が夫を失った,ひとりの子供が親を失った。ガールフレンドが,親友が,たくさんの人たちが,愛する人を失った。そして彼らは,そのことを知りもしない。
次の瞬間,僕は,この人は占領軍の一員だということを思いました。今もまだ僕の同胞たちを毎日殺している軍の一員なのだ,と。
しかしその時は,僕はこの血のことしか考えられなかった。それは僕の身体を流れる血と同じ。彼は僕と同じ人間だ。
それから,僕は彼を責め始めました,どうしてイラクに来たんだ,と。どうして軍に入ったんだ,と。そんなことになったのも自業自得だと思おうとしました……。
しかしその時,僕は思ったのです――彼は多分ここにいたくなかったのではないか,僕が彼にここにいてほしくないと思うのと同程度に。もしも彼がもっといい仕事を見つけていたら,もしも彼が奨学金を得る別の方法を見つけていたら,米国永住権を得る別の方法を見つけていたら……彼はここには来ていなかったに違いない。:(
ブッシュめ。
僕はとても怒っていました。
何もかも,写真に撮影しました。
昨日,僕たちはある人をファルージャに送りました。どうなっているのかを確認してきてもらうために。
その人は元々ファルージャの出身で,頻繁にファルージャに行っています。ですが今回は,戻ってきた彼は沈み込んでいました。まだ20代か30代になったばかりなのに,血圧がどっと下がってしまって病院に行きました。
彼はあんなふうなファルージャは見たことがないと言います。「ゴースト・シティだ」と言います。家族も女性も子供もファルージャを去り,開けた土地に隠れています。家に戻ることはおそろしくてできないから……。
商店は1軒たりとも営業しておらず,男たちは武器弾薬を用意して自分たちの街を守ろうとしている。ファルージャではだれもが同じことを口にする。「ザルカウィとやらが存在するかどうか,政府でも誰でもここに来て,どこもかしこも捜索していけばいい,ぜひそうしてほしい」と。
ファルージャは四方八方を包囲され,四方八方から爆撃されています。さらに飛行機からも。
ファルージャとラマディで13のモスクが破壊され。ファルージャで最も有名なレストランの「ハッジ・フセイン」も破壊されました。ハッジ・フセインのケバブはイラクで一番です。人々は,ザルカウィがハッジ・フセインで昼メシ食ってたんだろうと冗談を言います。げらげらと笑う人たちもいますが,僕は泣きます。
ファルージャでこれまでに起きた中でも最も醜悪な大量殺人です。さらに,すぐにもまた起きるでしょう。起きたときにあなたはそのことについて(記事を)読む。世界中がそのことについて読む。そして誰もそれに対して何もしない。なぜならあの小さな都市のどこかにビッグ・フットが,サンタが,ザルカウィが隠れているとあなたがたみんなは信じているから。それが正しいかそうでないかを確認するために,あなたがたみんなは,女性や子供たちを,ひとつの都市全体を,犠牲にするつもりなのだから。
アメリカ政府が,暴力はより多くの暴力を作るだけだと,ただ家に留まり,殺されるのを待つだけの人などいないと知る日が,いつか来るでしょう。彼らは戦って死ぬ方を選ぶ,どっちにしろ彼らは死ぬんだから,ってことですよね?
ファルージャに送った友人が,ファルージャの病院に行ってきました。状況は口にできないようなものだったとのこと。病院はボランティアが運営していて,薬も医療機器もない。死体が山積みで,どうしたらいいのかわからないくらいになっている。負傷者の数は病院の収容能力の限界を軽く超えていて,救急車はほとんどない,救急車のほとんどは占領軍に攻撃されて破壊されてしまっている。病院では時々床を拭き取って,血の海の中を歩けるようにしなきゃならない状態。
次に挙げる医療機器は,今すぐに必要なものです。これはその病院の医師からもらったリストです。これらの機器の中にはかつては病院に備わっていたものもあるのですが,救急車に積んでいたため,救急車もろとも破壊されました。
みなさんにはぜひともお願いします,できる限りのことをして,医療機器を僕たちにください。特にリストに上がっているものをお願いします。全部は読めません。全部は理解できません。お医者さんに解読してもらうまで,とりあえず僕に読めるものだけ,ポストしておきます。
必要としているのは:
4 D.C shock machines(Defibrillator:心臓の細動除去器)
4 cautery machines(Electro Surgery machine)
※これら医療機器については,Iraq Blog Countへの投稿で,「用語が古い」という指摘があり,今使われている用語が書かれていたので,それをカッコ内に補ってあります。どちらも4台ずつということです。
できる限りたくさん必要なものは:
tracheostomy tubes(気管切開管)
air way tubes(気管内チューブ……でいいのかな?)
endotracheal tubes(気管内チューブ……らしい?)
※下2点については「リーダーズ」にも載っていないため,正確な日本語が私にはわかりません。
できる限り早く,お医者さんに読んでもらって,間違ってるところがあれば修正し,僕には解読できない品目を追記します。医者の処方箋の文字,おわかりでしょうか。あれを読める人などだれもいません。
お願いです……助けてください
Khalid
posted by khalid jarrar # 1:10 AM
*translated by: nofrills 24 October 2004
これをきっかけとしてJarrarさんたちが始めた個人ベースの支援活動については,このウェブログの「Jarrarさんたちの支援活動」のカテゴリをご参照ください。集まったお金についても,Jarrarさんたちからの報告が上がるごとに,このカテゴリでアップデートしています。
簡単にまとめると,カナダにいる末弟のMajidさんの開いているPaypalアカウントに送金( jarrar_raed@hotmail.com が宛先)⇒集まったお金をMajidさんが長兄のRaedさん(在アンマン)の銀行口座に送金⇒Raedさんがヨルダンで物資を調達し,バグダードのKhalidさんに送付⇒Khalidさんが各地の病院に送付 という流れです。
送金方法についてはこの記事にまとめてあります。Paypalはメールで簡単に送金のできるシステムですが(少額でもOK,送金するときの手数料ゼロ),
【追記】10月26日,Paypalの説明ページを作ってみました。→http://www.geocities.jp/nofrills_web/civaid/index.html
投稿者:いけだ






