ハナ・イブラーヒムさんのお話〜8月12日,東京
「占領下 イラクで〜」の会は,文京区区民センターのわりと大きな会議室(2003年11月のアサフ・ドラコヴィッチ博士のお話も同じ場所だったような気がします)で行なわれました。
スピーカーは,ジャーナリストのハナ・イブラーヒムさん(女性)と,ファルージャ市民のムザッファル・アフマド・ムハンマドさん(男性)の2人。
以下はお2人のお話のメモの書き起こしです。ひとりひとりに分割しますが(ムザッファル・アフマド・ムハンマドさんのお話の書き起こしはこちら),どっちにしても長いです。あと,ところどころ,私のメモ自体が意味不明なところがありますが,そのまま,タイプしていきます。
ハナ・イブラーヒムさん
【資料にある略歴】連合軍によるイラク占領に反対してきたジャーナリスト。現在,女性の権利を求めるNGOの代表。イラク占領監視センター(OWC)スタッフでもある。「旧政権下でも占領でも私はあらゆる殺害に反対する」と語る。(1949年生まれ)
※当初,英語で話をする予定で英語の通訳者さんがおられたのですが,「私は英語が下手なので」とのことで,アラビア語でお話されることになりました。通訳は斎藤力二朗さん。ハナさんは,感情が激してくると声のトーンが上がり,右手にマイクを持つ一方で,左手をさかんに動かしていました。(私の出す例はちょっとアレなのですが,イタリアのサッカー選手がピッチで審判に抗議する様子を思い出しました。)
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まず,日本で起きたことから始めたい。私は広島を訪ねて広島のみなさんとの会議に参加した。広島は私たちにとってショックだった。広島の人々を殺したのもイラクの人々を殺したのも同じ(米国)だ。広島の人々に「どういう感じを持たれるか」と訊かれた。どう答えたらよいのか,わからなかった。
広島では1分の間に20万人以上が死んだ。イラクでは今までに数万人が死んだ。イラクでの死者数は誰も数えていない。推定の値しか出ていない。
1991年,湾岸戦争のとき,イラクの犠牲者は10万人だった。
このとき,バグダード空港の戦いでは,何が起きたのかは誰も語っていない。
しかし,広島よりもバグダード空港の出来事の方が大きかった,遺体は黒焦げの塊となっていた。誰もこのことを語っていない。バグダードの小児科医にいった。そこは墓だった。3000の遺体があった。このことについて,誰も語っていない。
イラク全土の刑務所の収容者の数は,我々の数えたところ18万人以上だ。(←この数値には通訳の方もびっくりしておられて,通訳が一時途切れました。)占領軍発表ではたった1万人だという。
薬の類は病院から盗まれた。今ある薬も期限が切れていると専門家は言っている。路上でそういった(盗まれた)薬が売られているが,生産地がどこかもわからないような状態だ。
どのメディアもそういったことに触れていない。
女性たちが拘束されている。年取った女性も子どもも拘束されている。なぜかというと,人質としてとって,子どもたちの父親を呼び寄せるためだ。
バスラ(Basra)のオム・カスル(Um Qasr)刑務所。大きな収容施設だ。テントが3つある。18歳以下の男女が収容されている。ここについて,私たちのグループが記録を取っている。
例えば,生まれて18日後の赤ん坊を持つ母親も拘束されていた。占領軍が彼女を拘束したときに赤ん坊は引き離され,彼女は別のところに連れていかれた。
別の例では,収容所内で出産した例もある。
我々の新聞で紹介したように,ひとりの例では,いろいろな人が理由を尋ねたが,テレビカメラの前でしゃべってから死にたいという女性もいた。
……要点だけをしゃべることにします。方言のこともありますし,通訳が大変そうなので。(笑)※ここだけ,ハナさんは笑顔でした。
数年前,米国で24時間の停電が起きた。そのときに250億ドルの損害が発生した。イラクでは連日16時間停電している。2〜3時間おきに電気が切れる。6時間ずっと停電になることもある。それは外部に報道されることもない。
水も汚染されている。これは占領軍も認めている。都市部で,沸かさないと飲めないような水だ。
#だから自衛隊も行くし,日本の外務省も無償で援助したりする。
こういった問題があるのに,外部には報道しない。米国のメディア,米国に従属するメディアは,米国からの情報を元にして報道している。「イラクは解放され民主的になった」と言われているように。ベクテル社は「汚い会社」と言われている。学校建設のために180億ドルを使っている。壁を塗ったりといった至極単純な仕事しかしていないのに。
イラク人の権利を侵害することは,我々の尊厳を傷つけること。教育などあらゆる分野にその例が見られる。
イラク国家の崩壊後,失業率は70%にも達している。そのうちの90%は女性だ。
みなさんにイラクの現状を見ていただきたい。人間が住めるような状況ではない。占領軍の戦車はいつでも人を殺すことができる。やりたい放題に,人をつかまえ検査をする。
イスラエルの分離壁のように,コンクリートの塊が至るところで見られる。コンクリートの塊が,通りや橋をふさいでいる。それは,米軍が自分たちを守るためだ。彼らが自分たちを守るためにやっていることだ。しかしメディアはこういったことを報道していない。このような犯罪的行為を報道していない。
占領が始まってから起きていることがある。イラクではそれまで知りもしなかったことだ。
女性や子どもを拉致して暴行する。そして国外で女性を売買している。
アー○○地区(←私の聞き漏らし)の警察の幹部の話では,占領軍は毎日夜7時にやってくる。そして犯罪者,殺人犯や強盗犯を釈放している。調書は押収し,何も後に(証拠を)残さないようにしている。
#「犯罪者釈放」については,私が日本語にしたJarrar一家の誰かのウェブログに記述があったはず。あとで探してみます。(おそらくはFaizaのウェブログです。)
ある裁判官がそれに抗議をした。アブ・グレイブで殺人犯や強盗犯が釈放され,それに抗議して辞任したのだ。
アブ・グレイブで拘束されている人々は,証拠も罪状もなく,憶測で拘束されている。
イラクの心理学者の話がある。あるテレビで強制捜査の様子を放映した。占領軍が男を連行し,女は恐怖にかられて男にすがりついた。これについて心理学者は……(←ここの部分,通訳さんの混乱ではっきりしないという痕跡が私のメモにある)
イラクの女性は自分の部族のところで難を逃れている。
私が言いたいことは,米国はこれほどに愚かなのかということだ。占領していながら解放したと言うほどに愚かなのか。人々を殺害しておきながら,解放していると言っている。しかし米国は愚かではない。仁義がないだけだ。(←「仁義」は通訳さんの言ったママ。)嘘をついていることを承知していて,世界がそれに納得しようがしまいが,占領することに決めたのだ。
簡単な例を挙げよう。クリントンとブッシュの例。クリントンは2期目に入ったときに,「次の世紀はアメリカの世紀だ」と言った。ブッシュは議会でアフガニスタン占領前に,「アメリカが時代を決定する」と言った。「時代がアメリカを決めるのではない」と言ったのだ。
こう言ったのがヒトラーだったならば,それはファシズムと言われただろう。アメリカはファシストであることを誇りにしているのだ。アメリカは何も恐れていない。
イラクで起きていることは,広島・長崎であったような残酷なことである。数年もすれば,ブッシュやシャロンがこのような残酷なことをしたということがはっきりするだろう。
日本政府に尋ねたいことがある。日本は広島の惨劇を戦争から学んだ。日本は戦争を否定する憲法を作った。日本政府はなぜ兵隊をイラクへ送ったのか? アメリカのファシズムを助けるためか? イラクに対するテロリズム行為をするためか?
私たちにとってのテロリズムとは,アメリカやイスラエルがしていることだ。
1度だけの集まりでは意見交換には充分ではない。これを続けて発展させていこう。そしてよい結果を生んでいこう。ネットを使ったり,直接会ったり訪問しあったりできる。私たちはメディアの壁を壊す必要がある。
あなたがたの兵士たちをイラクへ送ることは,アメリカのテロリズムを支援するようなことは,しないでください。米国のテロであれ,英国のテロであれ,イスラエルのテロであれ,……(←私の聞き漏らし)
独占企業をボイコットしましょう。兵器を供給する企業をボイコットしましょう。
自分の心に聞いてください。頭(mind)で考えてください。中東で今何が起きているかを考えてください。報道を信じる前に,自分たちの頭で,理性で,考えてください。
殺す者と殺される者の区別をしてください。
#ここは英語で,Choose between the killer and who are killed. とおっしゃっていました。
Thank you. Shukran.
この集まりについてのデータ(配布プログラムより)
占領下 イラクで何が起こったか?! ―イラク現地からの告発―
8月12日(木) 文京区民センター
〔主催〕占領下 イラクで何が起こったか?! ―イラク現地からの告発― 集会実行委員会
問合せ先 イラク国際戦犯民衆法廷実行委員会 ※電話番号・FAX番号省略
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)※電話番号・FAX番号省略
なお,配布プログラムに転載されていた毎日新聞さんの記事(2004年1月13日)によると,ハナ・イブラーヒムさんは「国際イラク占領監視センター」のメンバー,つまりInternational Occupation Watch Centerのメンバーです。配布資料にはoccupationwatch.orgに掲載されたハナ・イブラーヒムさんの記事が掲載されていました。
投稿者:いけだ






