Falluja, April 2004 - the book
現代企画室刊『ファルージャ 2004年4月』を引き継ぐ形で、
同書共訳者2名がファルージャおよびイラクについてのニュースなどを
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イラクの主権
2005年9月19日、イラク占領英軍がバスラ刑務所に戦車で突入。イラク人警察官を撃ったために逮捕されていた英軍兵士2名を「解放」しました。『ファルージャ2004年4月』著者の一人ラフール・マハジャンの発言。

イラクの主権
ラフール・マハジャン
2005年9月20日
Empire Notes 原文

イラクの主権に対する尊重を唖然とするほどまでに示す行為として、英軍兵士たちは、バスラ中央刑務所を戦車で攻撃した。イラク人警察官二人を撃った罪で逮捕されていた英軍兵士2名を「解放」するためである。

英国の国防省はこの事件についてあからさまな嘘をつき、兵士は交渉の結果釈放されたと述べ、その「交渉」なるものに、刑務所の壁を突き破って侵入する戦車が関わっていたことについては言及しなかった。

同州の州知事ムハメド・アル=ワイリによると、突入した部隊は10台の戦車と多数のヘリから構成されていたという。刑務所に英軍が突入した際、約150人の囚人が脱走した。

それから、それに怒ったバスラの群衆が英軍兵士たちと対峙して発砲を受け、少なくとも2名が殺された。人々は英軍戦車2台に放火した。

英軍はずっと、占領の中で「良い奴ら」とされてきたことを思い起こしておかなくてはならない。米軍よりも処置すべき事件を起こす回数がずっと少なかったというのは確かである。理由の一つは、英軍がギャングの規則をバスラに押しつける際、おおむねバドル旅団の後押しをするだけだったことにある。

米軍兵士の振舞いはそれよりもひどく、イラク主権をいっそう強く軽蔑していることを考えると、米軍兵士をめぐって同じ様な事態が起きなかったのはどうしてだろうと不思議に思う人もいるかも知れない。そうした人は、次のことを考えて欲しい。すなわち、主権を有するイラク政府の警察であるという事実以上に権威を持たないイスラム教徒の一団が、罪のない人々を撃った米軍兵士を逮捕しようとしたら、何が起きるかを。そもそも米軍兵士が刑務所に入れられることなどあり得ないだろう。

日本でも、英国でも、米国でも、「占領軍が立ち去ったあとイラクに何が起きるかを考えずに撤退することは無責任だ」という見せかけの議論がしばしば見られます。現在占領軍が進めている主権侵害と破壊と大量殺人については口を閉ざしたまま。あるいは、「我々の行為だから良いに決まっている」という幻想に浸ったまま。

撤退により確実にもたらされるもの:
(1) 国際法違反の不法占領が終わる
(2) 米軍により続けられてきた大量殺人と破壊はなくなる
(3) 英軍による刑務所襲撃もなくなる

投稿者:益岡


コメント(3)| Track back(0) | 2005-09-24 09:47:15 | イラク全般
■ Dangerous place to live
強盗・殺人を不問にしてもらえるなんてあるはずはないが、もしそうだったら犯罪者は大喜びでしょう。

10万人殺しても不問にしてくれるテレビ新聞に米英日政府はじっさい大喜びしていることだろう。

日本政府の違法行為によって、日本国民が殺しを行った実績があるのに、テレビ新聞は侵略軍の犯罪を批判しない。テレビ新聞は金目の物といえば命と人の道しか持たない日本国民の利益を尊重しないのだ。

日本政府が憲法9条を撤廃し「集団的自衛権」を導入したら、日本政府は、他国の領土で他国民の生命財産を奪うことを日本国民にいずれ要求する。
もしそのときは自分の生命だけでなく You must not murder, You must not steal という明快な倫理さえも捨てることを要求されるわけだから、これはおおきなおおごとだ。こちらから殺しに行くのは、迎え撃って殺すのと決定的に違う。強盗殺人と正当防衛はじっさい決定的に違う。正直に実態をいうなら「米英追随的侵略権」なのだから、「集団的自衛権」というnew speakは不正直である。

敗戦後に誰かが書いた「平和国家建設」という習字を忘れない。
「平和国家建設」が正しい道なのだから、暴力団ブッシュ組ブレア組の強盗殺人の兵站をやっているのは正しいとはいわれない。イラク派兵で日本政府は大多数の日本国民の利益に反することをやっている。

自国の領土に入り込んで殺人を行う他国の軍に対して抵抗することは国連憲章に認められている。国土防衛は「テロ」ではない。
一方で、他国の領土に軍を送り殺人を行うのは人道に対する罪であると国連の判決は出ている。米英軍がやっているのは「解放」ではなく侵略。

「他国の領土に軍を送って侵略することは人道に対する犯罪である」と米国自身が言ったことを米国自身にも適用するのが公正というものだ。



"The world is a dangerous place to live;
not because of the people who are evil,
but because of the people who don't
do anything about it."
noranyanko (2005-09-25 00:57:43)

■ 英兵に逮捕状(9月24日,BBC記事)
Basra warrant for two UK soldiers
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4277532.stm

※概要:
バスラの判事が,英兵2人に対する逮捕状を出した。この英兵らはイラク人民間人1人を殺し,イラク人警察官1人を負傷させたとされているが,潜入活動中のSAS隊員であると思われる。この2名は19日の月曜日に身柄を拘束されたが,その後英軍がバスラ警察署に突入し,解放された【原文での動詞はfree】。

英国のJohn Reid国防大臣は,在イラク英軍に関する逮捕状は一切受け取っていないと述べ,また,英軍人はイラクの法律で逮捕起訴などされることはない(immune)と述べた。「イラクの法律は非常にはっきりしている。英軍人はイラクの法的プロセスの下にはない。英軍人は英国の法律の下に置かれている。したがって,もしそのような逮捕状が出されたとしても,法的効力を持つものではない。」

英軍スポークスマンのSteve Melbourne少佐によると,イラク政府と連合軍の間の協定により,2人は訴追を受けないこととなっている。

一方で同少佐は,英国がイラクの調査チームおよびイラク政府と「緊密に連携を取る」と述べている。「既にこちらは動き出しており,月曜日に起きたことに関しては詳細がわかるであろう。」

しかしながら,バスラの判事はBBCに対し,当該の2人は英国人であるとの確証がなく,イラクでの逮捕・起訴を受けないということではないと述べた。

BBC特派員のRichard Galpinは,もし2人が故意でイラクの民間人を殺したとして有罪が認められれば,終身刑もありうると述べている。【原文からちょっとわかりづらいのですが,おそらく,一般論として「イラクの法律では殺人罪は終身刑」ということを言っているのではないかと思います。】

当該の2人の英軍人は,イラク警察に拘束されたとき諜報活動に当たっていたと広く信じられている,とBBC特派員は述べている。

イラク警察と内務省は,英軍人は拘束時に発砲したとしている。

BBCのCaroline Hawleyは,逮捕状が発行されたということは,「地元での政治的な動き(local politicking)が多く起きている」ということを示唆する,と述べている。「逮捕状を出した判事は,月曜日に起きたことは,特定の勢力の間では間違いなく非常に不評であるということを知っている。」

逮捕状発行の報がもたらされる前,バスラの当局は英軍とは協力しないと言明していた。バスラ知事のMohammed al-Wailiは,兵士解放のための襲撃についての謝罪があるまでは,一切の協力はしないと述べていたのである。

英国は,兵士らは警察内部に紛れ込んだrogue elementによって民兵に引き渡されたのだとして,自己の行動を弁護している。しかしイラク内務大臣のBaqir Solagh Jabrはこれを否定している。

英軍はバスラの街路に出る度合いを低めている。

水曜,イラクのジャファリ首相と英国のリード国防相は,今回の事態は二国間の関係に緊張をもたらしてはいないと述べた。

※記事概要はここまで

話の流れを見るには,20日のBBC記事と比較してみるとよいかもしれません。

UK soldiers 'freed from militia'
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4262336.stm

> In a statement, Brig Lorimer said that under Iraqi law the soldiers should have been handed over to coalition authorities, but this failed to happen despite repeated requests.

# 20日の記事では,英軍兵士(おそらくSAS)が撃ったのは「警官2人」ということになっていましたが,その後「民間人(死亡)と警官(負傷)」ということが明らかになったようです。

SASについては……
http://www5f.biglobe.ne.jp/~sbu/DATABASE-ENGLAND-SAS.htm
http://www.special-warfare.net/data_base/101_war_data/euro_01/isle_land_01.html
などを参照。
いけだ (2005-09-25 03:35:33)

■ 英国側の説明
BBC記事も,特にCaroline Hawleyの記事(この人はイラクのBBCスタッフのメインの一人ですが)が,接続詞の前後で話の展開が尋常ではないほど速く,私には話が非常にわかりづらいように感じられるのですが,要はこういうことのようです。

1)英軍SAS(特殊部隊)隊員が2人,バスラで潜入活動をしていた。
2)イラク警察が彼らを拘束しようとした(日本語記事によると,検問をしていたという話)。
3)SASが発砲し,銃撃戦となり,イラク人が死傷(警官2人死亡なのか,警官負傷で民間人死亡なのか,情報が変わっている)。
4)イラク警察がSASの身柄を拘束,バスラ警察署内の刑務所に収容。英国の説明によると,「そしてSASの身柄が民兵組織に引き渡された」。
5)英軍がSAS2人を奪還するために,戦車で警察署に突撃。
6)バスラの人々が英軍戦車に火炎瓶を投げるなどした。

これについての英国側の説明が,よくわからないのですが,「バスラ警察内部に入り込んだ民兵組織メンバーによって,SAS2人が民兵の手に渡ってしまった」。

民兵の手に,というのは,例えば,Wednesday, 21 September 2005のBBC記事:
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/4267568.stm
> There is relief that so far there has been no further unrest after Monday's dramatic events, when two British undercover soldiers had to be rescued after they were taken from a police station by militiamen.
(月曜,2人の潜入活動中の英軍兵士が警察署から民兵によって連れ出された後で……)

Wednesday, 21 September 2005の別のBBC記事:
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4266304.stm
> It comes after the British Army said it was forced to take action to free two UK soldiers after learning Iraqi police had handed them to a militia group.
(イラク警察が民兵組織に彼らを引き渡したと知ってから……)

バスラに警察内部に民兵組織のメンバーが潜入しているという話は,8月にワシントン・ポストも報じています。
http://teanotwar.blogspot.com/2005/09/blog-post.html

が,今回英国が主張している「警察内部に入り込んだ民兵」は,8月のワシントン・ポスト報道にあったバドル旅団のことではなく,insurgentsだということのようです。

Insurgents 'inside Iraqi police'
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4266304.stm
> Insurgents have infiltrated Iraq's security services, National Security Adviser Muwafaq al-Rubaie has admitted.
> Speaking on the BBC's Newsnight programme, he said he had no idea how far the services had been undermined, with problems "in many parts of Iraq".
(BBCのNewsnightのインタビューで,ルバイエが,反乱勢力が治安部隊に浸透している,どのくらい問題の根が深いのかわからない,などと述べた。)

英国の主張としては,そういった警察内部の反乱勢力の手に英軍兵士が渡ってしまったので,やむなく突撃し奪還した,ということになると思います。

しかしルバイエの発言は19日のバスラでの一件の後のことで,イラクの内務大臣は,「バスラでの件の状況についての英国の説明に反駁(has disputed the UK's account of the circumstances surrounding the release of the two British soldiers in Basra)」:
> Baqir Solagh Jebr told the BBC the men never left police custody. He said the UK forces that freed them had reacted to a "rumour" that they were in militia hands.
(英軍兵士は警察に拘束されていた,英軍は,彼らが民兵の手にあるという「噂」に反応したのだ,と大臣はBBCに語った。)

で,英国の語る「民兵」とは何かについて,今度はガーディアン記事ですが:
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1574814,00.html
> They draw a picture of a once proud but now impoverished port city steadily falling under the sway of competing Shia Islamist groups and their militias. The groups are said to have infiltrated all levels of the police and local authorities, and are answerable to no one but their religious leaders and party bosses.
(かつては繁栄したが今は没落した港町=バスラは,着実にシーア派イスラミスト集団と彼らの民兵の手に落ちている。これらの集団は警察や地域当局のすべての階層に浸透し,彼らの宗教的指導者と党の指導者以外に対しては説明の義務を負わない,と住民や外交官は述べている。)

……というわけで,「シーア派イスラミスト集団」ということのようです。このガーディアン記事では,西側の外交官の述べた内容として,「イランはどこにでもいる」と書かれています。何を言いたいのかは明白。具体的には……

> Militiamen loyal to the radical Shia cleric Moqtada al-Sadr were kidnapping police not part of their group, occupying offices, and arresting Iraqis said to be violating Islamic law. ... But Sheikh Sala al-Obeidi, a Sadr spokesman in Najaf, said the Mahdi army was simply filling the gap left by the government.

……というわけで,英国的には「ムクタダ・サドルのマフディ軍がバスラ警察に浸透していて,バスラ警察に拘束されたSAS隊員はサドル派民兵に引き渡されたのである」ということのようです。

# これらのコメントは別記事立てた方がわかりやすそうなので,後でまとめます。
いけだ (2005-09-25 04:26:10)

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